鉄道会社の小田急電鉄(東京・新宿)と小田急グループでバス事業者の神奈川中央交通(平塚市)は共同事業として、相模原市緑区城山の未利用地を活用したアグリビジネスを本格化した。栽培した高糖度ミニトマトを昨年12月24日から、小田急沿線のスーパーなどで販売している。
「小田急・神奈中ファーム城山農場」が最初に手がけた野菜は、肉厚で強い甘味と旨味が特徴の「アイコ」と「イエローアイコ」という2種類のミニトマト。県内で栽培して果実のように甘いため、商品名を「かなか(神奈果)」として販売している。
「かなか」は、ICT(情報通信)技術を活用し、常時成育状況を監視しているビニールハウスで栽培。新しい技術を導入したフイルム栽培「アイメック農法」で育てられたため、甘みや栄養価を蓄えた高糖度が特徴だという。
「かなか」の販売開始にあわせて小田急電鉄と神奈中央交通は「おいしい、あんしん、沿線農業。『小田急アグリズム』」として地産地消にこだわったアグリビジネスに参入する。社会的課題でもある休耕地問題の解消や就労機会の創出などの地域の活性化を図り、沿線で育てた農産物を鮮度の良い状態で沿線の消費者に届けていく。
近くの販売店舗はオダキューOX相模大野店、相模原店、大和店と小田急百貨店町田店。小田急グループのホテルやレストランなどを通じた提供も計画している。
(2017年1月10日号掲載)