津久井やまゆり園、地域に開かれた施設へ/年度末までに構想を策定


入り口周辺の塀を取り払った開放的な再整備案

入り口周辺の塀を取り払った開放的な再整備案

 県は1月6日、障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区千木良)の建て替え構想案を発表した。最新の防犯設備を導入しつつ、入り口周辺の塀を取り除いて地域に開かれた施設とする。10日に障害者団体などから意見を聴取し、年度末までに基本構想を固める方針を示した。

 構想案によると、昨年7月に発生した連続殺傷事件の風化を防ぐため、「ともに生きる社会かながわ」の実現を目指す「県民の決意を表す施設」とするという。新たな施設そのものが再生のシンボルで、園の利用者と支援する人々との交流の場として活用していく。

 県が設置した第三者委員会の意見を反映し、事件の再発防止策として、警備会社への通報機能を備えたセンサー付き防犯カメラや防犯ガラス、周囲に異常を知らせる防犯ブザーを設置。同市が「さがみロボット産業特区」に含まれることを踏まえ、最先端のロボット技術の活用も検討する。

 グラウンドや体育館、プールがあるエリアと管理棟の一部は「交流促進ゾーン」とする。地域住民と入居者の交流を一層促進し、地域に開かれた施設として再生。作品の展示やバザーなどの催しのために開放するほか、災害時の避難場所としての利用法も検討している。

 主に2人部屋だった居室はすべて個室にするほか、「ホーム」と呼ばれる居住スペースの定員を20人から10人程度に減らし、より家庭的な雰囲気を醸成する。

 新施設は2019年度に着工し、20年度中の完成を目指す。
(芹澤 康成/2017年1月20日号掲載)

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