家具の大正堂(相模原市南区上鶴間本町)の緑地保全活動がこのほど、「持続可能な社会づくり活動」として環境大臣賞を受賞した。本店裏にある社有の遊休地を活用し、社員が参加しやすい体制を整えている点が評価された。
2013年に創業100周年の記念事業として始めた活動「家具屋さんの森づくり『道正山るーたんの森』」では、本店裏にある約1500平方メートルの社有遊休地に手を入れ、植樹や遊歩道を整備している。渋谷金隆社長が東日本大震災の被災地でボランティア活動に参加し、防潮林で大津波から助かった人がいたと知ったことが、緑地保全に関心を持ったきっかけ。
土留めや遊歩道、植樹に使う杭などは、家具店ならではの工夫として、引き取った不要な家具を活用。将来に「地域の憩いの森になれば」との思いで一般に開放し、遊び場や散歩コースとして親しまれている。
渋谷社長は「家具店にとって木は欠かすことができないもの。社員には自然や森に感謝する気持ちを育んでもらい、環境に関心を持ってほしい」と話す。研修や会議で多くの社員が集まる機会を利用するなど、森づくり活動に参加しやすい環境づくりにも取り組む。
また、境川沿いの斜面林などで緑地維持のボランティア活動を行っている「境川の道正山河畔林を守る会」と連携。地域住民が森づくりに参加するとともに、植栽や緑地保全の指導や苗木提供を受けるなど、さまざまな形で協力関係を持っている。
(2017年2月10日号掲載)