通信機器の設計開発・設置工事の「カズテクニカ」(相模原市中央区中央)はこのほど、鉄道駅ホームや地下街、電車やバス車内に設置するWi―Fi(無線LAN)の新規アンテナを開発した。
通信キャリアや鉄道会社からの依頼で開発したもので、2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、地下街や地下鉄など、まだWi―Fiが未整備のエリアへの設置需要を見込む。
新たに開発したのは、「鉄道駅舎用アンテナ」「鉄道社内用アンテナ」「中継装置」の3種類。既存のアンテナより小型化し、カバーできる通信エリアを拡充した。駅舎用アンテナは、中規模程度の駅ならば、1カ所に設置すれば上下線のホームをカバーする。
鉄道用アンテナは、「部品が不燃」「火災の際に有毒ガスを発生しない」など、各鉄道会社が設ける厳しい基準をクリアしなければならい。
同社は2年をかけて、「鉄道車両用材料燃焼性試験」の許可を取得。これまで全国の私鉄などに多くの設置実績があり、Wi―Fiでは国内トップシェアを誇るという。
今後の通信インフラについて、同社は「地下街や移動する社内、地下鉄などのトンネルであっても繋がるのが当たり前になっていく。アンテナは景観を損なわず、目立たないように改良されていくだろう」とみている。
同社の土屋俊二社長は「東京五輪に向けて、まだWi―Fiが未整備の都内のエリアや、国内の主要観光スポットなどで設置が見込まれる。国内の通信インフラ整備に貢献していきたい」と話していた。
(2017年2月20日号掲載)