相模原市の新市営斎場、候補地選び難航/地元住民の了承得られず


 相模原市の新市営斎場の候補地選定が難航している。高齢化の進行による火葬件数の増加を見込んで、既存施設を補完する狙いだが、地元関係者からの了承を得られず、具体的な計画策定のめどが立っていない。

 津久井地域に新市営斎場を整備する基本構想が固まったのは2014年5月。現在の市営斎場(同市南区古淵、11炉)だけでは、20年に火葬枠(7674件)が火葬需要に対応できなくなると予測された。

 市営斎場の15年度の利用実績は5034件。10年度より約750件増えた。市外からの利用件数は一時減少に転じたが、市民が市外の火葬施設を利用したケースは依然として増加傾向にあるという。

 基本構想によると、火葬炉10基の新斎場を建設する。民間事業者の資金やノウハウを活用するPFI方式や指定管理者制度の採用も視野に入れている。

 2月17日までに「新たな火葬場を考える会」を7回開き、最終候補地案を「青山」(帝京大グラウンド、同市緑区青山)に絞り込んだ。市民や各自治会を対象とした説明会を開いたが、関東大震災で崩落した土砂によってできた「地震峠」に近いことなど指摘された。

 津久井広域道路近くへの整備を求める委員との折り合いがつかず、昨年11月をめどとしていた候補地案の決定は今月にずれ込む見通し。

 古淵の斎場は1992年から稼働しており、築35年が経過する。2020年前後に大規模改修が必要となる。新たな斎場の整備が先行できれば、現在の斎場の機能を補完できるため、逸早い計画の推進が望まれる。
(2017年3月1日号掲載)

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