今後、拡大が予測されるロボット関連ビジネスに中小企業の新規参入を促そうと、ロボット関連産業加入セミナーがこのほど、海老名市扇町のリコー・フューチャーハウスで開かれた。産業技術総合研究所の専門家や製造業に通じたコンサルタントを講師に招き、業界の最新情報や支援方策について講話を行った。
産総研の中坊嘉宏氏はサービスロボット分野にスポットを当て、関連産業の現状や今後の展望について説明。特にサービスロボットの製品化に必要とされる安全性の確保について、「事故が起きることは、防ぐことができない。人に危害が起こる確率が限りなく低い状態を安全とする〝許容リスク〟という考え方が必要」と話した。
FRSコンサルティング(相模原市南区相模台)の吉澤智氏は、新分野への進出を目指すにあたり準備しておくべきポイント、活用できる支援などを解説。マーケティングについて4P(プロダクト、プライス、プレイス、プロモーション)が使われていたが、最近の市場動向に合わせて買い手の視点となる4C(カスタマー、コスト、コンビニエンス、コミュニティ)も含めて事業を捉える必要があるという。
さがみロボット産業特区推進センターの内田享子センター長は「ロボットビジネスに関心がありながら、多くの疑問を持つ企業にとって何かヒントとなるものがあれば」とあいさつ。同特区の地理的特徴や取り組みを紹介した。
同セミナーには、製造業や情報通信業などから関係者約100人が参加した。参加した経営者は「知人の会社から共同開発の話を持ちかけられている」「関心はあったが、新分野への参入には不安感がある」などと話していた。
(2017年3月1日号掲載)