日産自動車(横浜市西区)のカルロス・ゴーン氏(62)が4月1日付けで社長とCEO(最高経営責任者)を退任し、引き続き代表権のある会長を務める。今後、三菱とルノーを合わせたグループ全体の連携強化や拡大に集中する。
(芹澤 康成/2017年3月1日号掲載)
ゴーン氏の退任は、2月22日の取締役会で自ら切り出したもの。日産・ルノーに新たに三菱自動車が加わり、自動車業界トップレベルのグループに拡大したアライアンス(提携)を率いることになったため。
後任に共同CEOの西川(さいかわ)廣人氏を充てる人事を発表した。
日産は、2月23日に「先に三菱自動車の取締役会長に就任したこと、そして次の日産の定時株主総会の開催を控えていることから、CEO職を引き継ぐのに適切な時期であると判断した」とするゴーン氏のコメントを発表した。
ゴーン氏は1999年、経営不振に伴い日産が資本提携したルノーから最高執行責任者(COO)として派遣された。2000年6月に日産の社長に就任し、01年6月からCEOも兼任。経営の立て直しのため、生産拠点の閉鎖や早期退職制度による人員削減などを断行した。
後任の西川氏は、13年4月から16年10月まで日産のチーフ・コンペティティブ・オフィサーを務めた。1977年に同社に入社し、99年以降、米国、欧州地域のマネジメント・コミッティの議長や 購買部門を統括する副社長などを歴任。日本自動車工業会の会長も務めている。
(2017年3月1日号掲載)