飲食店専門の酒販「ヤギ・リカーズ」(相模原市南区古淵)はきょう、売り上げの一部をシティセールスに活用する焼酎「サクラ・サク・サガミハラ」を発売した。売り上げの一部を相模原市の象徴と言える桜の維持管理事業に寄付し、郷土愛の醸成を狙う。
(芹澤 康成/2017年3月20日号掲載)
企画した八木健芳専務は「地域の課題を地域の企業経営者が、経営手法で解決したかった。持続的なシティセールスのためには、企業と行政、消費者がウイン‐ウインの関係になる必要がある」と話す。
焼酎は「芋」と「麦」の2種類。ピンク色のラベルは芋焼酎で、「昼間に咲き誇る華々しい桜」をイメージ。麦焼酎は青いラベルで、「夜にしっとりと咲く幻想的な桜」を表した。
醸造は、熊本の老舗酒造「房の露」にOEMとして依頼。芋は高級品種のムラサキイモ(鹿児島県産)を使用し、優雅な桜の花の華やかな香りが特徴。麦焼酎も舞い散る花びらをイメージし、心地よい軽やかな飲み口とした。
ラベルに描いた桜の花びらはハート型で、郷土「さがみはら」や桜を思う「こころ」を表現。銘柄の「Sakura」「Saku」「Sagamihara」の頭の「S」を3区のイメージカラーを配色。ビンも捻りを加えた「スクリュービン」で、上から見ると桜の花に見えるよう工夫した。
相模原市内の桜は老齢化で、全体の25%以上が腐朽や倒木の恐れがあるなど、問題が指摘されている。焼酎1本当たり100円が市に寄付され、市内にある桜の点検や捕食などの維持管理費に充てられる。
価格は720ミリリットル入りで、1650円(税別)。相模原市内の一部飲食店で注文できるほか、同社ホームページなどで購入できる。
八木専務は「この事業を成功させることでフォーマット化し、企業が地域の課題を解決する機運を醸成したい」と意気込む。