子供の健やかな成長に必要な教育や支援について話し合おうと、相模原市の中央地区青少年健全育成協議会はこのほど、中央公民館(同市中央区富士見)でシンポジウムを開いた。地区内で行った調査結果などから課題を抽出し、行政や教育、企業の代表者が意見を交換した。
同協議会が中央地区の小学5年生260人、中学2年生393人、高校2年生247人に行った意識調査の結果を公表した。2013年度に内閣府が実施した調査を基に、相模原市や中央地区などの地域性に合わせた問いを設けた。
調査結果によると、「いじめを容認しない」「約束を守る」という意識は全国平均値より高く、規範意識が高い傾向が見られた。その一方で「迷惑をかけなければ何をしても良い」という意識が、全国平均値より高いことも分かった。
また、「専門家に任せ切りにすべきではない」「子ども・若者の意見を聞くべき」との主張は強かった。一方で、「自分では変えられない」と、政治や地域社会への自主的参加や関与への意識の低さも覗えた。
基調講演では、相模女子大学学芸学部の久保田力教授が登壇。自身の子育て経験などを交えて、「全方向型子育て支援を目指して」をテーマに話した。
久保田教授は、学校の部活動の一環で清掃活動をした息子から「たばこの吸い殻を捨てるのは大人なのに、なぜ練習の時間を割いて掃除しなければならないのか。ただバスケットをやりたいだけなのに」と言われたことを例に、「大人や社会は、青少年を健全に育成できる資格や能力があるのか」と来場者に疑問を投げ掛けた。
続いて、第2部のパネルディスカッションでは、地域(牛尾良一氏=中央地区自治会連合会会長)、家庭(小澤隆宏氏=富士見小PTA会長)、学校(今井勉氏=中央中校長)、行政(馬場博文氏=こども青少年課課長)、企業(柴田正隆氏=ウイッツコミュニティ社長)の各代表がそれぞれの立場から意見を出し合った。
(2017年3月20日号掲載)