クラウドやIoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)などの技術をテーマとした博覧会「ITプロ・エキスポ2017」(日経BP主催)が9、10日の2日間、東京・芝公園のホテルで開かれた。ビジネスに変革をもたらすとされるデジタル技術が一堂に会し、関連企業146社が情報交換や商談を行った。
製造現場や生産管理の効率化を目指す「スマートファクトリー」や電子メディアを通じてプロモーションを行う「デジタル・マーケティング」など、注目される分野の技術や製品も出展された。
セミナーでは、パナソニックの島田篤人部長が実装工場のフロアマネジメントを事例に、製造部門をデジタル化する方法を具体的な取り組みを交えて説明した。
島田部長によると、製造現場では、量産と個別受注生産の両方の性格を持つマスカスタマイゼーションの実現が求められている。可能とするためには、「デジタル化された市場データや仕入れデータと直接リンクする工場部門のデジタル化が必須」と指摘した。
主な出展企業は日本マイクロソフトやアマゾン、日本IBM、NTTコミュニケーションズ、富士通など。東芝(川崎市幸区)はIoTアーキテクチャー「SPINEX(スピネックス)」をデモンストレーションと事例を交えて紹介した。
スピネックスは、デジタル上に現場の機器を忠実に再現し、遠隔監視で機器の状態を見守り、迅速に兆候をとらえて改善するデジタルツインを構築できることなどが特徴。モノをつなげるだけでなく、音声や映像などの情報を解析するとともに、人の意図や状況を理解した形で活用できるという。
最新のデジタルテクノロジー動向に関心がある企業・団体などから合計1万5224人が来場した。機械部品製造業のシステム担当者は「海外に展開する工場と生産管理の手法を統一し、品質や効率の向上を目指している。参考になる技術があれば」とコメントした。
(2017年3月20日号掲載)