相模原市は3月23日、津久井総合事務所で「新たな火葬場を考える会」を開き、新市営斎場の最終候補地を「青山」(帝京大学青山グラウンド、緑区青山)とする意向を会員に示した。今年度から用地としての適正を検証するための地質調査を行うほか、周辺住民への説明などを進めていく。
青山は、造成費と用地費を合わせて約1・84億円と試算し、比較対象となった候補地より低コストとなった。市の説明によると、評価では費用面や環境面、交通利便性などを項目とし、「市民目線」で優先順位の高い項目に比重を置いた。
候補地は伊勢原断層と鶴川断層の間にあり、土砂警戒区域内の南山の中腹に位置する。グラウンドが関東大震災の流出した土砂できた「地震峠」に近いことも指摘され、昨年9月の説明会で「問題がないことを確認した上で、最終候補地とするか判断した方がいい」との意見が出た。
会員らからは、整備中の津久井広域道路沿いの「土沢西」への建設を求める意見があった。沢があるため埋め立てや盛土が必要で、安定に4年以上がかかる。供用開始を目指す24年に間に合わないとし、候補地から除いた。
一方で、又野在住の男性(30代)は「緑区民にとって利便性が向上する。前向きに検討し、事業を推進してほしい」と早期整備を求める声も出ている。市によると、「内部に石材を使うと冷たい印象になる」「2階建てならエスカレーターを設置してほしい」など、具体的な要望もあったという。
市は15年9月、新火葬場の候補地選定や施設機能について、立地予定地の津久井地区から意見を聴き取るため「新たな火葬場を考える会」を設置した。市民局次長を座長に据え、同地区まちづくり会議と同地区自治会連合会の計15人が意見を交わしてきた。
今後、同会を発展的に解消。新たな会を設けて、地域住民を中心に有識者や他の地区の市民らを交え、より具体的な機能や内容について意見を聴取する。
(2017年4月10日号掲載)