国土交通省はこのほど、東京大学などと開発中のドローン(小型無人機)向け自動離着陸支援システム「ドローンポート」の機能や課題を検証するため、座間市広野台のGLP座間で実証実験を行った。
実験では、物流用ドローンポートの有無による着陸精度を比較した。ドローンの自動着陸を支援するシステムで、水平誤差50センチ以下で離着陸できることを確認。GPSだけでは着陸地点に約1メートル以上の誤差が生じることも分かった。
ドローンポートは、四隅に設置したWi‐Fi電波発生装置とマーカーで10~30メートルまで誘導し、10メートル以下になるとドローンがマーカーを検知して、ポートの中心に合わせて着陸するもの。
国交省によると、人工衛星を使った位置情報システム「GPS」による誘導では、数メートル以上の誤差が生じる。実用的な運用に備えるため、ドローンポートの開発を進めている。
ドローンポートには、リアルタイムで周囲の風速や風向きを予測するシステムを設置。観測した数値を予め算出した飛行可能値と照合して、ドローンの離発着の可否を判断する。若干強い風が吹くこともあったが、各装置の働きで正確な離着陸を実現した。
また、第三者進入時の安全確保では、ポート内に進入した第三者を感知すると、ドローンに待機支持を出す。人がポート進入すると、ドローンが待機して着陸しないことを確認した。
国交省物流政策課の大庭靖貴課長補佐は、ドローンの実用化について「米国などとは違い課題が山積している。研究を重ねていくことが大切で、国としても今後もサポートしていく」と話した。
(2017年4月10日号掲載)