元サッカーワールド杯日本代表で、SC相模原のゴールキーパー・川口能活選手(43)は、4日に現役引退を表明し、11月14日に相模原市役所で会見を開いた。「実は、この1年、2年ぐらい、プレーを続けるか、引退するか、その狭間で揺れていた」という胸中を明かした。
涙ぐむ目頭を押さえて登壇し、「代表で、あるいはJ1でプレーしていた川口能活は過去のもの」と強調。会見前に会場の写真を見て涙したといい、「僕のためにこれだけの人が集まり、もしかしたら自分がプレーしてきた中できょうが最高にうれしい日」と語った。
今後は「サッカーをして人生を歩んできたので、現場で指導者として自分の経験したことを伝えたい」と競技に関わり続ける意向。「指導者になるための歩みをしっかりと始めたい」と、自身に続く名キーパーを育てる意気込みをみせた。
グローブを置く理由については「ロシアW杯や各カテゴリーの代表の戦いぶりを見て、僕が代表でプレーした時よりも世界で戦える日本サッカーになってきた。サッカーに違った形で貢献したいという思いが強くなった」と話す。
記者の「もう一度、サッカー人生を歩むなら、どのポジションを選ぶか」との質問には「ゴールキーパーをやると思う」と即答した。
引退試合は、12月2日にギオンスタジアムであるJ3第34節・鹿児島戦。終了後に引退セレモニーが行われる。川口選手は「最後までプロの選手として、やるべきことはまっとうしたい」と締め括った。
SC相模原の望月重良会長は、市立清水商業高校(現清水桜が丘高校)の先輩であり、同校への進学を勧めたこともあるという。後輩に花束を手渡し、引退試合の出場については「期待してください」とだけ話した。
【2018年11月20日号掲載】