相模大野「BAN」、両陛下ゆかりの料理を/元公邸料理人が鉄板焼き


公邸料理人の経験を生かす判さん

  公邸料理人の経験を生かす判さん


 相模大野駅東口の南側出口近くにある「鉄板焼BAN(バン)」(相模原市南区相模大野7)は、当時の皇太子ご夫妻や各国の要人などに料理を作ってきた元公邸料理人の伴直樹さん(56)が経営している。天皇陛下が1日にご即位されたことを記念し、4月27日から5月6日まで陛下にまつわる料理を加えた特別コースメニューを提供した。

 伴さんは兵庫県伊丹市出身。専門学校を卒業後、大阪市のフランス料理店を経て、在スリランカ日本大使館の公邸料理長に就任。フランスの一ツ星から三ツ星レストランで研さんを積み、在オマーン大使館公邸料理長も務めた。帰国後に勤務したうかい亭で鉄板焼と出会い、2003年に相模大野銀座通り商店街で「レストランBAN」を開業した。

  伴さんが天皇皇后両陛下に料理を出したのは、在オマーン大使館公邸料理人の時。皇太子だった1994年に、ご夫妻は中東諸国を歴訪。オマーンの首都マスカットにあるホテル「アル・ブスタン」に滞在中、大使夫妻の要望で両陛下のための食事を用意した。

 特別メニューは、改元と天皇陛下のご即位を記念したものだが、常連客への還元や新規客の拡大も狙った。コースのはじめに出される前菜に、両陛下も召し上がった「かつおのたたき」を取り入れた。期間中の来店者のうち9割が常連客で、「一見さんには抵抗がある価格でも、味を知っている人にとってはお得感があったのでは」とみている。

  扱う食材にこだわる同店は「都内や横浜に行かなくても、一流の味を身近で比較的リーズナブルに食べられる」と、近隣自治体の歴代市長や政治家、医療関係者、企業経営者などが多い。「違いが分かる人に食べてもらえればいいと思っていた」と話すが、新時代の到来を切っ掛けに「本物の味をより多くの人に食べてもらいたい」と方向性を変えつつある。

(2019年5月20日号掲載)

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