指定都市長会議、公共施設の長寿命化や医療体制の確保が議題に


相模原市など全国20政令指定都市の首長で構成する指定都市長会(会長・林文子横浜市長)は11月18日、東京都中央区で会合を開いた。相模原の本村賢太郎市長らが4つの提言・要請を取りまとめ、「公共施設等の長寿命化」「医療提供体制の確保」などを各分野の担当大臣に提出する。

本村市長ら20政令市長が集まった会議

本村市長ら20政令市長が集まった会議



さいたま市長は、地価や物価が相対的に高く、維持管理・更新費についても高コストとなると指定都市の実情を訴えた上で、「公共施設等の老朽化への対応は喫緊の課題である」と強調。相模原市や横浜市にも被害をもたらした台風15・19号にも触れ、公共施設などの強靭化も含めた対応の必要性を訴えた。

要望書では、地方自治体が公共施設等の適正管理を進めるために発行する地方債について、災害対策等で重要な役割を担う区役所や消防署などの公用施設も対象とするよう要望。公共施設等の更新・統廃合・長寿命化、ライフサイクルコストの縮減を目指す予防保全型の修繕・更新などに必要な財源の安定的な確保も求めた。

公共施設などは、高度経済成長期の人口増加に伴い集中的に整備され、今後20年間で、建設後50年以上経過する施設の割合は加速度的に高くなり、急速に老朽化が進んでいくと見込む。一方で、人口減少・少子高齢化が急速に進行し、維持管理などを行う専門人材などの減少を招くことが予想されている。

広島市長は、医療提供体制の確保について、「病床の機能分化や医療機関等の連携強化などで、より質が高く効率的なものにしていくことが喫緊の課題」と指摘。課題を解決するためには大都市に集積する医療資源を適切に活用することが重要で、地域の実情を把握し、医療政策の実績もある指定都市が医療計画に直接関わることが必要不可欠とした。

また、政令指定都市について、「医療法などの法令でその果たすべき役割が明確にされておらず、有効な医療政策を主体的に展開する権限も付与されているとは言い難い」としている。必要な権限(医療審議会や地域医療構想調整会議の設置、医療機関に対する勧告・命令など)を付与することを求めた。

【2019年12月1日号掲載】

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