東急建設は12月7日、公募で集まった小学生と保護者を相模原市中央区田名の技術研究所に招待し、実験や見学を通して建設業の仕事や役割を学べるイベントを開いた。
同社の福本定男常務は、「適正な工事には高い技術が必要で、技術研究所でのさまざまな研究開発を通して建物をつくっている。建設工事や技術研究所の役割を楽しく学び、建設業や当社に興味を深めてほしい」とあいさつした。
小学4年生から6年生の子供と保護者7組14人が参加。同社のヘルメットと作業服を着た子供は、数種類の厚さの紙を使って、ミニカーやペットボトルを支えられる橋の作り方を考えた。材料の質や形などで構造物の強度が変化することを学ぶと、厚紙で自分の重さを支えられる作りにも挑戦した。
続いて、大型モニターに映る現場の様子を見ながら、無線操縦で動くバックホウやタワークレーンなどの建設機械の模型を操作。現場にいる保護者が出す指示に従いながら行う作業もあり、橋梁の解体工事や高層ビルの建築工事を疑似的に体験した。
施設見学では、さまざまな天候・気温を再現できる「人工気象室」で、日本国内の最高気温41度と最低気温マイナス41度を体験した。風洞実験施設や残響室・無響室なども見学し、普段の生活では体験できない環境に驚いていた。
建設業界では人手不足が課題となっており、建物や道路、橋などの建設、それらの維持・管理を担う技術者・作業員の不足が懸念されている。同研究所は11年前から「とうきゅうキッズプログラム」に参加し、建設業界や技術職に興味を持つきっかけにしてもらおうと施設見学の機会を設けている。
参加した保護者は「子供には形に残る仕事に興味を持ってもらいたいと思って応募した。私自身も知らないことがあり、いろいろ勉強になった」と話した。子供も「(模型の操縦体験では)自分で機械を動かしているようで楽しかった。もう少し大きなものを作りたい」と笑顔で答えた。
13回目となる「とうきゅうキッズプログラム」は、東急グループの鉄道・バス、ホテル、百貨店など28社が29コースを実施。東急電鉄各線や相互乗り入れ路線の沿線地域に住む親子を中心に募集し、414組828人を招待した。
【2020年1月1日号】