新春恒例の相模原市消防出初め式が12日、中央区弥栄の淵野辺公園隣接地で行われた。市消防職員や消防団員など652人が参加し、消防車両約50台のパレードや「消防八木節」などの演技で市民へ防火・防災を呼びかけた。
本村賢太郎市長はあいさつの冒頭で、昨年10月の台風19号で2次被害の危険性がある中、過酷な現場で救助活動にあたった消防関係者の労をねぎらった。消防職員や消防団員を「大規模な災害が将来的に危惧されており、市民の安心安全を守る消防への期待はますます大きくなっている。これからも常に積極果敢な精神のもと日ごろから訓練を重ね、防災活動の中核として活躍することを期待する」と激励した。
球場で行われた式典では、永年(10~30年)にわたり活躍した消防団員に対する県知事表彰32人と市長表彰172人を実施。市民が見守る中、本村市長らから表彰状が手渡された。
団体演技では、相模湖方面隊の隊員約100人が甲州街道(国道20号)を行く大名行列を思わせる衣装を身にまとい、4㍍近い毛槍を投げ渡す「奴振り」などを見せた。和太鼓やしの笛などの演奏に合わせ、豪快に唄をうたう伝統の「消防八木節」も披露した。
合同演技では会場を中央広場に移し、消防団員による演技、消防職員の技術力と資機材を導入した一斉放水などを市民らに見せた。市内企業の自衛消防隊や在日米陸軍消防隊など、協力機関との連携を確認する訓練の役割もある。
市では、消防団員として従業員が3人以上入団している事業所や、消防団活動に積極的に協力している事業所を「市消防団協力事業所」として認定。建設業や製造業のほか、運輸業、学校法人など80社・事業所が登録されている。
会場は家族連れなど市民が会場を訪れ、演技を観覧した。一眼レフカメラを構えて熱心に写真を撮影していた11歳の小学生は、「妹と一緒にお父さんの演技を見に来た。将来は私たちを守ってくれる救急隊か、消防隊の人を助けられる仕事をしたい」と話していた。
【相模経済新聞2月1日号掲載】