県はこのほど、企業誘致推進方策「セレクト神奈川100」で、県外企業による相模原市内への投資計画など4件を認定した。このうち3社を「輸送用機械器具関連産業」として選び、企業誘致を促すための融資、税制措置で支援する。
航空機用部品加工や高圧コントローラーバルブ製造などを手掛ける「三差製作所」(横浜市都筑区)は、輸送用機械器具関連産業として認定を受け、中央区田名に新たな工場を設置。2021年2月1日をめどに稼働を開始する。
総投資額は7億2700万円で、不動産取得税の2分の1軽減や3635万円の補助金などを受ける。操業開始時に10人(うち2人が非常用雇用)の雇用を計画している。
県の発表によると、これまで広島県東広島市で製造を行っていた航空機エンジン部品の回転盤やシャフトを県内でも製造(金属加工)し、生産規模の拡大を図る。
フォルクスワーゲンの車両や部品の輸入・販売を行っている「フォルクスワーゲングループジャパン」(愛知県豊橋市)は、輸送用機械器具関連産業として認定され、賃貸料の3分の1を県が補助する企業誘致促進補助金を受けて、横浜市西区みなとみらい地区内の民間賃貸ビルに研究所を新設する。ことし4月1日から業務を開始する予定。新規雇用は30人(うち18人が非常用雇用)を想定している。
新たな研究所では、日本・韓国市場の技術リサーチや自動車部品サプライヤーの開拓・ビジネスサポートをはじめ、グループ各社の各市場向け車両や各種機能の開発サポート・試験をドイツ本社と共同で実施。東京の現2拠点に分散している組織を統合して生産性を高め、スペースを拡大することで今後の需要拡大に対応する。
このほか、工作機械の設備機器の設計・製造を得意とする田中製作所(海老名市柏ケ谷)は、2億7000万円を投じて綾瀬市小園に新工場(15人雇用)を建設。板金工程の製造拠点として独立させることで生産規模拡大を図り、工作機械のIoT化によるさらなる受注増に対応する。税制措置と企業誘致促進融資を受ける。
【相模経済新聞2月1日号掲載】