物流施設開発の日本GLPは10日、相模原市中央区田名に県内最大級となる先進型の多機能物流施設「GLP ALFALINK(アルファリンク)相模原Ⅰ(ワン)」の建設に着手した。5棟の倉庫群の初弾で、総合物流業のギオン(同区南橋本)などの入居が決まっている。総事業費は1400億円。
同社のほか、着工前に佐川急便と西濃運輸の入居も決まっており、全体のフロア面積の約2割に相当する。3社以外にも自動車部品のサプライヤーや日用雑貨、食品・飲料のメーカーなども入る見通し。
-相模原Ⅰ(6階建て、延べ床30万6000平方㍍)の5階部分には、今回の開発の目玉となるターミナル機能を備える。ターミナル区画に佐川急便と西濃運輸が入ることで出荷・集荷の効率が大幅に向上し、今後入居する企業に対して安定的かつ長時間対応できる集荷・配送体制を提供。集配と幹線輸送を一体運用し、効率的な輸配送を確立する。
同施設の1階と2階には、食生活の多様化などを背景に需要が高まっているコールドチェーン物流に対応するため、冷凍冷蔵設備を備えた倉庫スペースを整備。コールドチェーン物流にも注力しているギオンが業務拡大に伴い同区画への入居を決め、冷凍・冷蔵・常温の3温度帯に対応した拠点として利用する予定。
祇園義久会長は「4カ所目の拠点を検討中で、話をもらったのは新設拠点建設が地中埋設物の関係で延期になったタイミングだった。多品種・小ロットに対応する自動化設備を導入し、スーパーマーケット向けの拠点としていく」と話した。
用地は国道129号沿いのキャタピラージャパン相模原事業所跡地(29万5000平方㍍)。圏央道相模原愛川インターチェンジから約4・3㌔に立地し、新東名の開通を見込み中部や関西とのネットワークを築きたい考え。雇用規模はパート従業員を中心に約4000人を見込む。
日本GLPの帖佐義之社長は「これまで閉鎖的だった物流施設そのものを地域にも利用できるものとして開発。これまでのバックヤードからフロントランナーになるものだ」と話した。
残る4棟の規模は▽アルファリンク相模原Ⅱ(6階建て、延べ床6万9000平方㍍)▽同Ⅲ(6階建て、同3万平方㍍)▽同Ⅳ(4階建て、同2万5000平方㍍)▽同Ⅴ(同)―。相模原Ⅱ以降は21年5月から23年2月までに順次着手していく。
【2020年2月20日号掲載】