相模原市、東京家政学院大、横浜銀行が連携/補給廠一部返還地の開発考える


相模原市は、東京家政学院大や横浜銀行と連携し、市職員と民間企業社員らが米陸軍相模総合補給廠の一部返還地の開発について考える「公民連携イノベーション」に取り組んできた。1月30日、市立産業会館で検討結果を発表し、来場者と意見を交換する「ダイアログ(対話)」を実施。市は提案を今後の検討や計画策定の参考資料としたい考え。

参加者は市職員13人、外郭団体から3人、企業や団体から7人の計23人。一部返還地を市民が誇りを持つ象徴的な場所にしようと、「相模原シティプライド」と位置づけ、「教育」「スポーツ」「遊び」「食」の4つのテーマで8月から12月まで検討してきた。

公民連携イノベ スポーツのグループは、「スポーツを通じた人と人のコミュニケーション」をテーマに、アスリートと市民の交流を図れる場の整備などを提案。スタジアムに医療・福祉など機能を併せ持ち、商業施設やマンションの入居費で独立採算制を確保したい考え。

建設資金の調達については、基金を作ってクラウドファンディングや寄付などを積み立てるほか、toto(スポーツ振興くじ)、または国の補助金を活用する案も示した。最低でも200億円、複合型で500億円以上が必要になると試算している。

グループには、一部返還地へのスタジアム整備を要望しているホームタウンチームの関係者が参加。「スポーツをする人だけがハッピーになるのではなく、子供の運動能力向上や市民の健康寿命の延長にも貢献できる」とアピールした。

神奈川工業大KIT虎ノ門大学院の野村恭彦教授(スロー・イノベーション社長)は「自分の価値観から正しいと思いがちだが、対話を行うことで他人の意見に触れ思考のレベルや行動が変わっていく。行政が条例を改正することで、民間事業者が開始できる新規事業の枠を拡大したほうがいい」と話した。

公民連携イノベーションは、職員研修の一環として17年度に始まった。18年度からは民間企業やNPOなどと連携し、地域課題の解決に挑んだ。3回目となる今回は具体的な場所をテーマに定め、目に見える課題に取り組んだ。

【2020年2月20日号掲載】

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