相模原市がホストタウンとなり、県立宮ケ瀬湖カヌー場(清川村宮ケ瀬)で事前キャンプ(7月18~30日)を実施したブラジル代表カヌースプリントチームのイザキアス・ケイロス選手(27)が金メダルを獲得した。バレーボール女子代表は銀メダルを獲得し、ベスト8止まりだった母国大会の雪辱を晴らした。
◇カヌーで史上初「金」
ケイロス選手は8月7日に行われた東京五輪カヌー(スプリント)男子カナディアンシングル(C―1)1000㍍決勝で金メダルを獲得。同国代表がカヌー競技で金メダルを取るのは史上初の快挙となった。
決勝の強豪は、これまでに10個のメダルを取り、前回リオ大会と前々回ロンドン大会で金メダルを取ったドイツのみ。上位3カ国のうち中国とモルドバは同競技で、これまでの大会でメダル獲得がない異例の結果となった。
ケイロス選手は、2位となった中国代表・劉浩選手と1・316秒差の4分4秒408でフィニッシュ。「とても大きな感動で、2016年からその瞬間までたくさんのことを捧げた。24年のオリンピック(パリ)について考えている」と述べ、今後も五輪での成果を重ねていきたいと考えているようだ。
現地メディアによると「10歳のときの事故で内出血を起こして腎臓の1つを失っている」としており、ハンデを乗り越えた上での栄誉。リオ大会ではC1の1000㍍とカナディアンペア1000㍍でエルロン・シルヴァ選手とともに銀、カナディアンシングル200㍍で銅を獲得した。
相模原市の本村賢太郎市長は「力強く安定感のあるパドリングでゴールに向かい一直線に進む姿は、世界一の称号を得るのにふさわしく、コロナ禍で国際大会が中止となる環境の中で、今回、実力をいかんなく発揮し、前回リオデジャネイロ大会での銀メダルを上回る金メダルを獲得されたことは、相模原市⺠にも大きな感動を与えてくれ」とコメントを発表した。
◇女子バレーは「銀」
同国代表では、五輪最終日の8日に行われたバレーボール女子決勝で、銀メダルを獲得。五輪では12年のロンドン大会以来、2大会ぶり5個目のメダル獲得となった。
6日の準決勝で韓国に3対0でストレート勝ちしたブラジル女子代表は、第1セットを21対25、続く第2セットも20対25で逃した。第3セットで反撃に転じるも力及ばず、14対25でセットカウント0対3のストレート負けとなった。
同チームは昨年開催される予定だった今大会の事前キャンプに向け、19年9月に相模原市内のギオンアリーナ(市立総合体育館、南区麻溝台)でテストキャンプを実施。代表メンバーとしてメダル獲得に貢献したタンダラ・カイシェタ選手のほか、ガブリエラ・ギマエラス選手ら期待の若手も参加した。
【2021年9月1日号】