相模原で練習のカナダ女子エイト「金」/2020東京五輪


2020年東京五輪に向けて、7月2日から17日まで相模原市内の相模湖漕艇場(緑区与瀬)で事前キャンプを行ったカナダ代表ボートチームのうち、女子エイト(漕ぎ手8人)はボート競技の最終日(7月30日)に東京・海の森水上競技場で行われた決勝で29年ぶりの「金メダル」を獲得した。500㍍地点からゴールまで首位を譲らず、延期となった1年と相模原での2週間の練習成果を世界に示した。

決勝はオーストラリア、ニュージーランド、米国、中国、ルーマニアとあたり、スタートから一進一退を許さぬ激しいレース展開となった。オーストラリアとニュージーランドに僅差ながら、トップの1分29秒37で500㍍地点を通過。1000㍍地点では2位との差を1・7秒に広げ2分59秒90で1位通過した。

後半でもカナダの首位は変わらず、1500㍍地点で2位と1・3秒差の4分30秒57で順位を維持。区間タイムを3位に落としながらも、2位のニュージーランドと0・91秒差の5分59秒13でゴール。1992年バルセロナ大会の初獲得以来29年ぶり、2度目の金メダルを獲得した。

カナダ金3 リサ・ローマン(32)、グルチャラ・ウシェルスキー(30)、クリスティン・ローパー(31)、アンドレア・プロスカ(35)、スザンネ・グレインジャー(30)、マディソン・メイリー(24)、シドニー・ペイン(23)、アバロン・ウェストニーズ(23)、クリステン・キット(32)の9選手(敬称略)。

ローマン選手は「すばらしい結果だ。精一杯働き、乗員が互いに信頼し合い最高のレースにすれば、金メダルを獲得できると確信していた」とインタビューに答えた。

カナダの女子エイトはバルセロナ大会で金メダルを取り、次のアトランタ大会と2012年ロンドン大会で銀メダル、00年のシドニー大会で銅メダルを取った。

ボート競技は直線2000㍍のコースでスタートからゴールまでの速さを競う。エイトは8人の漕ぎ手が2本ずつオール(櫂)を持つ「スカル」の一種。最後尾に「コックス」という舵取り役が乗り、左右バランスよく漕げるよう指示する。

前日の女子ペアでは、ケイリー・フィルマー選手(24)とヒラリー・ヤンセン選手(26)が銅メダルを獲得。代表選手団は現地メディアに「1日(現地時間)に日本に飛んで準備と訓練に数週間かかったので、会場に到着するまでに暑さはほぼ正常に感じられた」などと話しており、相模原での事前合宿は有意義なものとなったようだ。

【2021年8月10日号】

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