ココナッツキュア、豪雨被災桃を製品化で救済


オーガニック食品を契約農家と共に生産・販売するココナッツキュア(相模原市中央区相模原4、日暮美貴社長)はこのほど、6月に山梨県で発生した豪雨による被災桃を救出する支援プロジェクトを始めた。被災した桃を救い出し、飲食店や消費者へと「美味しく食べることで生産者を応援する」支援の輪を広げていきたい考え。

同社は、原材料の調達から生産、消費まで追跡可能な状態にする独自のトレーサビリティ管理を採用し、オーガニック(有機栽培)のココナッツ製品を販売している。食の安心・安全への追及、生産者や生産物を敬い支援する姿勢に共感し、規格外果物の特殊冷凍事業を手掛け、フードロス削減を目指すデイブレイクと提携した。

支援プロジェクトでは、互いのネットワークやノウハウを持ち寄り、 表面の傷や完熟などが理由で通常なら廃棄されてしまう桃を冷凍桃に加工して商品化する。 ココナッツキュアが生産者の発掘や連携を担い、 デイブレイクが桃を買い取って特殊冷凍加工と販売を行う。

使用する桃は、山梨県南アルプス市で生産されている日川白鳳、みかさ白鳳、加納岩白桃、アカツキ、本白鳳、浅間白桃、 なつっこ、川中島白桃などの計600㌔。傷がある部分などを取り除いた残りを一口大にカットし、特殊な冷凍装置で凍結させる。

被災桃のコピー 冷凍加工した桃は、 冷凍カット桃やスムージーパックとして販売。「旬の味をとじ込めた風味豊かなまま凍結させた」ことが特徴で、スイーツやドリンクなどに使用できる業務用食材として飲食店へ提供する。デイブレイクが運営するEC(電子商取引)サイト「Heno Heno」でも一般向けに販売する。

特殊冷凍とは、急速冷凍に凍結する対象ごとの特殊な技術を踏襲することで、さらに高品質な冷凍を実現する技術。急速冷凍は急速かつ均一に冷却することで細胞の損傷を最小限に抑え、うまみ成分の流出を防ぐ。冷風の湿度や冷風の当て方などの特殊技術が加わり、 これまで困難とされていた食材の急速冷凍を可能にしている。

業務用商品の「特殊冷凍カットフルーツ(桃)」は冷凍桃1パック(500㌘)980円(18パック1ケース)、「スムージーパック〝桃〟mix」は1パック(桃120㌘、 デラウエア20㌘、冷凍カット桃)280円(30パック1ケース。いずれも税・送料別。

【2021年8月10日号】

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