大和市は1日から、新型コロナウイルス感染症にり患し自宅で療養している人に対して食料品を提供する事業を始めた。食料品の確保について負担や不安を軽減することが狙いで、県の配食サービスを申し込む際に事業や申し込み方法を案内する。事業の実施にあたり、自宅療養者の個人情報の提供を受ける旨の覚書を、同日付で県と締結した。
全国的に今までにない規模で感染が拡大した第5波とも言われる感染の波は、同市においても例外ではなく、8月の市内の新規陽性者数は1655人となり、月単位で見ると過去最多となった。陽性者の増加に伴い、多くの自宅療養者が発生しており、「外出できない間の食料品をどのように確保するのか」という不安を抱えていた人も少なくなかったものとみられる。
県では、食料品や日用品などを届ける配食サービスを行っているが、申し込みから到着までには数日を要するとされている。この状況を受けた市では、自宅療養者の負担と不安を軽減するため、自宅療養の開始後、速やかに食料品を提供する。
市が届ける食料品は、手間をかけずに食べられるレトルト食品などから、管理栄養士が「カラダにやさしい食料品」をコンセプトに健康、栄養面を考えて選定。県の食料品が配送されるまでの間の食料品を無料で提供する。
対象となるのは、新型コロナウイルス感染症にり患し、10月1日以降、保健所より自宅療養の指示を受けた市内在住者。保健所が自宅療養を指示し、県の配食サービスの申し込みをする際に、市の同事業や申し込み方法を案内する。
利用希望者は市の専用ダイヤル(番号は一般には非公開)に連絡し、申し込む。申し込み日の翌日には、食料品を玄関先に届ける予定で、希望者1人につき1回の配達となる。
【2021年10月1日号】