日本GLPはこのほど、相模原市中央区田名で開発を進めている大規模多機能型施設「GLPアルファリンク相模原」内の一部施設が地域住民などに一般開放されたのを機に街びらきイベントを開いた。アルファリンク相模原は、総敷地面積30万平方㍍、4棟の物流施設など合計延床面積67万平方㍍の建屋で構成される施設。2023年の全体完成を計画している。
現時点では、4棟中最大の物流施設であるマルチテナント型の「相模原1」(延床33万1300平方㍍)が8月に、BTS型の「相模原3」(10万1600平方㍍)が10月にそれぞれ完成。また、BTS型の「相模原4」(15万1000平方㍍)が6月に、マルチテナント型の「相模原2」(9万平方㍍)が11月に着工しており、完成に向けて工事が進んでいる。
物流施設以外では、敷地中央部にレストランやカフェテリア、コンビニエンスストア、会議室、託児所等が入居する共用棟「リング」のほか、バスケット、テニス、フットサルなどに利用できる「マルチコート」を整備した。両施設は地域住民に開放されている。
リング1階部分のコンビニエンスストアでは、経済産業省内の店舗に続いて2カ所目となる、ペットボトル飲料などの補充を自動で行うアーム型ロボットが稼働している。バックヤードをガラス張りにすることで、店外からロボットが稼働する様子を見学できる。飲料1本あたり30~50秒で補充することが可能で、室温5度程度のバックヤード内部で1日に約1000本行われている商品の補充を自動化し、作業負荷の軽減を図る。
敷地内では11月12日から、小型電動バスを用いた自動運転の実証実験も始まった。レベル4(特定条件下で完全自動運転が可能)による自動運転で同施設内を車両が走行し、走行技術や安全性などを検証する。最終的にはテナント従業員等の敷地内の移動手段としてサービス化を目指しており、早ければ22年に実用化される見通しだ。
地域への開放は、「アルファリンク」シリーズのコンセプトの1つである「オープン・ハブ」(物流をもっとオープンに)の考え方に基づいた取り組み。日本GLPは同物流施設を地域に開かれた施設とすることで、広く一般に物流への関心を持ってもらう機会の創出を狙っている。帖佐社長が「物流は社会インフラではあるが、その割に閉鎖的で身近なものではなかった。もっと前面に出していいし、広く一般に認知されるべきだと思っている。アルファリンク相模原が整備されることによって、物流を進化させるステージが出来上がった。あとは実行していくのみだ」と語った。
【2021年12月1日号掲載】