「相模原お店大賞」に選ばれた相模原市中央区淵野辺の精肉店「有限会社ハッピー商会」(商号=肉のハッピー)は12月10日、茅ケ崎市で仕出し弁当店「ちがさき濱田屋」を運営する浜田屋に事業を譲渡した。2代目で、前社長の植田憲司さんは「地元の人々に支えられ69年。これからもさらに皆さまのためになるお店であり続けていただければ幸い」とコメントしている。
浜田屋は、4月に飲食業の事業承継を手掛けるまん福ホールディングス(HD)のグループ会社になり、ハッピー商会の全株を取得した。新社長は浜田屋の戸倉大輔社長が兼任する。肉のハッピーの歴史・ブランドを守りつつ、さらなる発展と相互での成長を目指すほか、肉商品の強化、新商品の発売、地域により根差した経営活動を目指すという。
戸倉社長は「それぞれの強みを生かし、弱点を補うことができるベストな組み合わせ。両者ともに発展することができ、地域住民にも喜ばれるビジネスを行っていく」と話している。
具体的な成長戦略としては①新商品の開発などによる「うまい」の追求②設備投資や仕入れの見直しなどによる生産性の向上③ちがさき濱田屋と連携し、販路の拡大―の3つを柱に据える。同HDの各社とも連携、シナジー効果の効率化により安全・品質・コスト効果を上げていくことを目指すとしている。
ことしで創業69年を迎える肉のハッピーは、 相模原市に店舗を構え、 食肉加工品の製造と販売をしている。 創業者は前社長・植田さんの父・昭司さんが戦後間もない1949年、社名には「暗い世の中でもお肉を食べて幸せになってもらいたい」という思いを込めた。創業以来の「良いものをより安く」をモットーに地域の精肉店として根付いている。
取り扱う牛・豚・鶏の肉はほとんどが厳選された国産で、店頭では精肉だけでなく惣菜も常時約30種類をそろえている。コロッケ、メンチカツ、串カツなど10種類を店内で手作りしており、できてたてを提供できるのも同店の魅力。近くの青山学院大学が箱根駅伝で優勝した際、原晋監督が「買った秘けつはメンチカツ」とコメントするなど、地域に活力を与え続けている。
商店街の繁栄と心通い合う街づくりを一体で、と考える植田さん。過去に行った相模経済新聞の取材に「生まれ育った街だから淵野辺への愛着は誰にも負けない。だからこそいい街にしたい」と話していた。
【2021年12月16日】