▽相模原の高木さんら、横浜のこどもホスピスを視察・寄付金


田川代表理事に寄付金を手渡す寄付者(左3人)=記者が現地撮影

田川代表理事に寄付金を手渡す寄付者(左3人)=記者が現地撮影



命に係わる重い病気の子供や、その家族などが利用できる施設「#横浜こどもホスピス」が2021年11月21日に横浜市金沢区に開設したことを受け、同年12月20日に市内で難治性小児がんの患者とその家族を支援し、小児がんの撲滅を目指す団体「#トルコキキョウの会」代表の高木伸幸さんと会員らが視察した。本格運営は今月から。【2022年1月1日号掲載】

こどホス建物 ホスピスは金沢八景を望む侍従川河口のそばに完成した。温もりある木造の2階建てで、高い天井や大きなガラス窓などで開放的な空間となっている。1階には交流や団らんの場となるホールや対面式のシステムキッチン、2階には個室、海を見ながら家族で入れる浴槽などがあり、家族や友人などとくつろげるスペースになっている。

看護師や保育士が常駐し、子供や家族の希望に合わせて個別のプログラムを提供する。家族や親族の集まり、友人を呼んでのパーティーや宿泊会などを想定している。

ホスピスを運営する認定NPO法人の代表理事田川尚登さんは1998年に次女はるかさん(当時6)を脳腫瘍で亡くした。医師から「半年」の余命宣告を受けたとき、「家族と一緒に過ごすしかない」と言われたことをきっかけに、残りの時間を大切に過ごせる場所づくりを考えるようになった。

子供のホスピス開設に向け、2014年に活動を始めた。個人や企業からの寄付、遺贈などで建設費や運営資金を集め、横浜市も土地(727平方㍍)を30年間無償で貸与するなどした。

トルコキキョウの会、床屋タイセイ(綾瀬市寺尾台1)、美容サロン「ルーチェドロップ」(相模原市中央区)の3者がそれぞれ寄付金を贈った。同会は準備委員会の発足時から、これまでにも総額50万円ほどを贈っている。田川さんは「利用する子供やその家族に楽しい時間を過ごしていただくために使いたい」と話した。

高木さんは、当時11歳の長女・優衣奈さんを小児脳幹部グリオーマで亡くした経験から、「在宅医療は環境が整わないと難しい。病院で最期を看取ることになるが、コロナ禍では面会も十分にできない」と指摘。ホスピスの完成について「ほとんど家にいるような感覚で、普段の生活に近い環境。頼もしいスタッフが常駐しているので、安心して子供と一緒に過ごせるはず」と語った。

病院と併設でない子供向けホスピスは、大阪に続いて全国でも2カ所目。2024年中に都内にこどもホスピスの設立を目指す動きもある。

 

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