桜美林学園、前身校設立から100周年/学びを社会に生かす人材育成


町田キャンパスの礼拝堂で開かれた記念式典

町田キャンパスの礼拝堂で開かれた記念式典



「キリスト教精神に基づく国際人の育成」を建学の理念とし、相模原市や町田市などに大学、高等学校・中学校、幼稚園を設置する桜美林学園 (町田市常磐町)は5月29日、町田キャンパスで創立100周年記念式典を開いた。2021年が創立者の清水安三氏が学園の前身となる崇貞学園を中国北京市に創立してから100年に当たるがが、式典や記念イベントの開催はコロナ禍の影響で1年見送られていた。【2022年6月1日号掲載】

起源は1921年、清水氏が北京市朝陽門外に貧困地域の中国人女子を対象として設立した崇貞平民女子工読学校(後の崇貞学園)。学校は第2次世界大戦の日本降伏で中国共産党に接収され帰国。清水氏はキリスト教主義学校の設立を目指し、現在の町田に留学先であった米国オーバリン大学の名にちなんだ「桜美林高等女学校」を創立した。

桜美林大学の設立は66年。2005年に学部学科制を廃止し、柔軟かつ総合的な学習を可能にするという「学群制」を導入した。100周年を機に大学・大学院共に大幅な改編・改組が予定されている。

式典には小池一夫理事長をはじめ大学の畑山浩昭学長、中学校・高等学校の堂本陽子校長、幼稚園の志村望園長ら各設置校・園の関係者が出席した。讃美歌や聖書の朗読などを交えたキリスト教の礼拝形式で行われた。

小池理事長は冒頭のあいさつで、貧困に悩む母子家庭の存在を指摘し「家庭の根に当たる母親に元気になってもらわなければ、日本の将来は暗い。苦しんでいる母親が豊かで明るい家庭を築ける一助になる活動をしたい」と訴える。清水氏や郁子夫人が中国で貧しい女性の教育に尽力していたことに触れ「崇貞学園創立の思いを桜美林学園で実現したい」と誓った。

同学園のモットーは「学而事人」で、「学んだことを社会や人に役立てる」という意味。卒業者には元相模原市長の故小川勇夫氏のほか、政財界や文化・スポーツなど各界で活躍する人物を数多く輩出している。

式典の2部では、学園がキャンパスを置く相模原、町田、多摩の3市長が来賓としてあいさつ。相模原市の本村賢太郎市長は、同日に境川クリーンアップ作戦で同大学の学生と接したことを報告し「学而事人の教えをしっかり実践しているのでは」と話した。

教育功労者表彰では、同高校と同大学経済学部を卒業し、ピーシーデポコーポレーション社長などを務める野島隆久氏が学園の教育研究活動への貢献を称えた。コロナ禍で情報機器が不足する中5千台の機材を提供し、自宅で学習する学生へ端末無償貸与を実現した。

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