区割り審、相模原緑・南区で行政区分割解消/南区と座間で新「20区」誕生


選挙区 「1票の格差」是正に向けて小選挙区定数の「10増10減」に向けた区割りの検討を進めていた国の衆院選挙区画定審議会(区割り審、会長=川人貞史帝京大教授)は16日、神奈川県内の18選挙区のうち11選挙区を見直し、2選挙区増の20選挙区となる区割り改正案を岸田文雄首相に勧告した。相模原市の緑・南区、座間市など、行政区内で選挙区が異なる「行政区分割」の解消が期待される。【2022年6月20日号掲載】

相模原市中央区と緑・南区の一部だった14区は、同市中央区のほか一部だった緑区が全域となり、16区だった愛甲郡(愛川町、清川村)も加わる。14・16区に分かれていた相模原市南区と、13・16区だった座間市は20区となる見通し。

勧告によると、大和・海老名・綾瀬の3市と座間市の一部で構成している13区は、海老名市が16区になり、16区とに分かれていた座間市を統合して20区へ編入。横浜市瀬谷区も組み込み、大和・綾瀬の2市と1区となる。

新区割りは2020年国勢調査に基づいており、この調査で議員1人当たりの人口がもっとも少なかった鳥取2区(27万3973人)を基にした格差が2倍以上となった13、14、16区など県内6選挙区で線引きを見直した。その結果、13、14、16区では1.738~1.480倍に抑制でき、県内での最大格差も3区の1.920倍になる。

岸田首相は、記者会見で「必要な法制上の措置を講じていきたい」と述べ、秋に想定される臨時国会に、勧告を反映した公選法改正案を提出する考えを示唆した。成立すれば、公布後1カ月程度の周知期間を置いて新区割りが施行される。

神奈川(2増)や東京(5増)をはじめ、埼玉・千葉・愛知の(各1増)など大都市部での議員定数が増えることになる。一部の政党では議席の偏在につながるとの見方もあり、議論は曲折も予想されている。

10増10減は、人口比を反映しやすいとされる議席配分方法「アダムズ方式」で決定した。区割り勧告に含まれないが、比例代表ブロックも3増3減される。南関東は1増となる。

…続きはご購読の上、紙面でどうぞ。