【大和・相模原】相模原に手作りコーラ工房/わがまちの素材使用にも意欲


「体に優しいコーラを」と鹿野さん

「体に優しいコーラを」と鹿野さん



香辛料(スパイス)や果物などを素材に手作りされる「クラフトコーラ」の工房が相模原市内に完成し、今月から本格的に製造を始める。LIP合同会社(大和市上和田)が製造する「ラバブルコーラ」は、鼻から抜ける鮮烈なスパイスの香りに、爽やかな柑橘(かんきつ)系の酸味と甜菜(てんさい)糖のすっきりとした甘みが特徴だ。将来的に〝わがまちの素材〟を使ったコーラ作りにも挑戦していく。【2022年7月10日号】

同社代表の鹿野精児さんは、都内のホテルに和食の料理人として務めた後、独立して横浜市内の繁華街で焼酎バーを経営していた。2017年頃から、個人事業主として電子タバコで使用するリキッド(味や香りの付いた液)を製造していたが、米国で電子たばこを原因とした呼吸器疾患が増えていた問題などを受け、近年話題になっていたクラフトコーラの開発に着手した。

「納得ができる味」になるまで1年ほど試作を重ね、クラウドファンディングによる資金調達を行いながら商品化に漕ぎ着けたという。クラフトコーラの製造には清涼飲料水製造業の許可などが必要となるため、21年2月に法人化。中央区横山に工房を設けた。

社名のLIPは「ライフ・イズ・プレイ」の略で「人生を遊ぼう」というメッセージがある。感染症拡大後の自粛や規制の強化、健康意識の高まりなどでし好品を手放す人もいる中、少しでも人生を楽しくなる商品を出したいとの思いがあるという。

市販の清涼飲料水に含まれるぶどう糖果糖液糖などより、「血糖値の上昇が緩やか」とされる甜菜糖などを使用した「体に優しいコーラシロップ」がコンセプト。シナモン、バニラ、柑橘類など20種類以上の素材を煮出して作り、味が馴染むまで1~2日ほど寝かせる。

「クラフトコーラ作りはカレーに似ている」と説明する鹿野さん。開発と製造には「加える順番や温度など、素材によって香りの出方が違う。コーラに最適なバランスを見極めている」と調理師の経験とノウハウを生かしている。

容量は500㍉(約5杯分、2980円)と200㍉(13~17杯分、1730円)の2サイズ用意している。同社ウェブページ(https://www.lifeisplay.jp/)などから購入できる。

鹿野さんは、県内産の素材にも着目しているというが、「風味を生かすために、新鮮な果実の搾りたてを使いたい」というこだわりから実現までには課題が残る。

ブランド名の「ラバブル」は、ラベルモデルにも採用した愛犬のフレンチブルドックに、愛らしいという意味の「ラバブル」を掛け合わせた。「末永く愛される商品になってほしい」との思いが込められている。

相模原市や大和市など神奈川県央地域を足掛かりに全国展開を目指している。将来の目標は「健康志向が高い米国ニューヨークへの進出」と目を輝かせる。「相模原産、神奈川産としての色を出せる商品を作りたい」と語っていた。

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