期成同盟会、相模線複線化へ段階整備目指す/行き違い施設整備で速達性向上


相模線複線か 県やJR相模線の沿線4市1町や商工会議所・商工会などで構成する同線複線化等促進期成同盟会(会長=本村賢太郎相模原市長)は7月25日、相模原市のあじさい会館(中央区富士見)で2202年度総会を開き、国やJR東日本への要望書など6議案を承認した。部分複線化など段階的な整備を国やJRなどの関係機関に提案し、全線複線化の早期実現を目指していく構えだ。【2022年8月1日号】

総会の冒頭には、4月に死去した座間市商工会の長本享一前会長(前幹事)の功績を称えて、出席者や随行者、事務局職員らが黙とうを行った。役員の改選では本村会長や副会長3人の再任を決定したほか、幹事に後任の内藤和美同商工会会長を据える人事を決めた。

本村市長は、あいさつの中で「速達性の課題が大きいのでは。行き違い施設の整備を優先するなど、一歩一歩できるところから前に進めていく必要がある」と訴えた。

杉岡芳樹副会長(相模原商工会議所会頭)は「複線が実現されれば輸送人員の増加や速達性の実現につながり、東海道新幹線(誘致中)やリニアの新駅との相乗効果による経済波及効果が期待される。沿線には多くの企業が立地しており、地域が発展するためにも必須」と意義を主張。顧問として出席した赤間二郎衆議員、寺田弘子相模原市議会議長らも登壇した。

事業計画では、早期実現を図るために「行き違い施設整備、ホーム改良など段階的な整備を推進していくことが重要」と指摘。調査研究活動のほか、関係機関への要望・陳情、関係団体との連絡・調整を行っていくことなどを決めた。

要望書では、相模線の課題について「単線であるため、列車の行き違いの待ち時間等により表定速度が低く、運行本数も少ないなど、周辺の鉄道と比較して十分な輸送サービスが確保されていない」と訴えた。「相模線の輸送力増強や速達性向上など、輸送サービスの改善は喫緊の課題」とし、信号保安設備の改修や行き違い施設の整備、部分複線化などの段階的整備を図り、全線複線化の早期実現に向けた取り組みを求めた。

同盟会は14年、複線化に向けた「新たな相模線交通改善プログラム」を策定。信号設備の改修や上下線の行き違い施設の整備などで運行時間の短縮を図ることを27年度までの第1ステップに位置付け、最終的に全線複線化につなげる計画を示している。21年度から調査研究活動費などとして積み立てを行っており、今年度で250万円程度となる見込み。

…続きはご購読の上、紙面でどうぞ。