相模原市は、市民対話ワークショップなどによる具体的な再編事業の実施に向けた取り組みを含めた計画として、「市公共施設マネジメント推進プラン・アクションプログラム」を策定した。「公共施設マネジメント推進プラン」(2017年3月策定)の第2期(29年度まで)に実施する内容、先導的な取り組み(リーディングプロジェクト)を定めている。【2022年9月12日号掲載、関連あり】
多くの公共施設の老朽化が進み、今後、多額の改修・更新費用が必要となる。一方、財政状況は一層の厳しさを増す中、すべての施設を現状のまま維持し続けることは困難な状況となっている。推進プランでは施設の枠を超え、集約化・複合化等による公共施設の再編・再配置を進めるための検討の方向性を示している。
アクションプログラムは、推進プランより上位の計画や、同プランの後に策定した公共建築物に関する長寿命化計画や市立地適正化計画との整合を図る。市行財政構造改革プランにおいて見直しなどを位置付け、先行して取り組んでいる事業なども含めて整理している。
対象施設は①第1期(19年度まで)に更新の目安となる時期を迎えた施設で対策が行われていない施設②第2期に更新の目安となる時期を迎える施設③個別の再編・再整備計画や改革プランなどで検討が進んでいる施設・事業④レッドゾーンに指定されている施設―とする考え。推進プランにおける「施設配置の方向性(22地区170施設)」や施設の評価・分析などを踏まえて、具体的な方向性や対策内容を検討していく。
推進プランでは対象施設の耐用年数を一律60年としていたが、長寿命化計画を参考に目標使用年数を80年と60年に整理する。客観的かつ具体的に再編・再配置を検討するにあたって、「築年数」「稼働率等」「コスト」の3軸評価を行う。
立地面では拠点性(駅などから徒歩圏内であるかどうか)と安全性(建築規制の有無)を基準とする。建築規制のあるレッドゾーンに位置する場合は施設の更新時期に関わらず移転を含めた検討を早期に着手する必要を認める。
リーディングプロジェクトは公共施設の再編・再整備の具体的かつ先導的な取り組みとして、市民対話ワークショップなどによるビジョンの共有や方針の検討を行うもの。条件は▽今後の類似案件に活用できる、汎用性の高いモデルとなる事業▽特に課題のある施設が集積している地区▽関係する所管課が多岐にわたるため、庁内横断的な連携が必要な取り組み―としている。
「学校の既存ストックを活用した再編・再整備」(光が丘地区学校跡施設〝青葉小学校〟利活用基本構想)、「老朽化した庁舎等の建て替えに伴う再編・再整備」(津久井総合事務所周辺公共施設再整備基本方針)を選定。年度までの具体的な取り組みを進めるに当たって、特に重要となる視点などを整理していく。