休日の部活動、地域移行へ本村相模原市長国に要望/九都県市


永岡桂子文科大臣に要望書を手渡す本村市長㊧

永岡桂子文科大臣に要望書を手渡す本村市長㊧



神奈川・東京・埼玉・千葉の1都3県の知事と5政令市の市長が地方分権改革の推進や共通課題について話合う九都県市首脳会議がこのほど、さいたま市浦和区で会合を開いた。相模原市の本村賢太郎市長は九都県市を代表し、義家弘介衆議(元文部科学副大臣)=自民、16区=とともに永岡桂子文科大臣を6日に訪問し、「休日の部活動の地域移行に向けた取組への支援」について要望した。【2022年12月15日号掲載】

相模原市の公立中学校では、1985年から35年間で生徒数が半数程度に減少。同市の本村賢太郎市長は、部活動を取り巻く状況について「1校あたりの運動部活動の設置数は2007年以降ほぼ横ばいになっている。部あたりの生徒数が減少し、学校ごとの部活動の継続に課題が生じている」と説明した。

「部活動の大転換期」とし、移行に向けた取り組み、移行後の継続的かつ安定的な運営への支援が十分に行われるよう①推進計画の策定②生徒の多様なニーズへの対応③家庭の費用負担の在り方④十分な財政措置⑤持続可能な制度設計―と、制度面と財政面の両視点から要望する。

本村市長は、ほかの首長に「未来を担う子供たちのために、さまざまな経験や体験ができる環境を整える必要がある。国や自治体、学校や地域が一体となり、最大限可能な支援を考えていきたい」と呼び掛けた。

国の有識者会議では、2023年度から3年間を改革集中期間と位置付け、すべての都道府県と市区町村で、休日の部活動を地域に推進する計画を策定するよう求めた。各自治体は、地域における持続可能で多様なスポーツ、文化芸術活動の在り方について、継続して検討を進めている。

相模原市では現状、部活動関連の出勤に関して教員の休日手当が1日3千円。交通費を自己負担する場合もあり、ボランティアに近い働き方が常態化している。指導員に移行するためには、人件費だけで少なくとも3億円以上かかると試算している。

本村市長によると、7月に小学校5・6年生とその保護者にアンケート調査を行ったところ、地域に希望するスポーツ、文化芸術活動があった場合、「やってみたい」と回答された児童は86・5%と多かった。一方で、保護者の多くが、活動への協力や活動費の負担について「不安がある」と回答した。

今回の会議では、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行を懸念し、ワクチン接種を呼び掛ける共同声明も採択した。12歳以上で初回接種が済んでいない人が、1都3県で1割程度にあたる約400万人に上るとして、新型コロナの「死亡リスクを低減させる効果がある」と早期の接種を求めている。

…続きはご購読の上、紙面でどうぞ。