神奈川の観光地の一つ丹沢大山の人気ラーメン店「AFURI(あふり)」(厚木市恩名2)が、国内外から観光客が集まる栃木県日光市の高級ホテルとコラボレーションし、同県の食材などに極限までこだわった5800円のラーメン1月25日から提供している。「栃木県の豊かな食材を生かした、栃木県に誇れる至高の一品を届けたい」という思いが込められている。【2023年2月1日号掲載】
AFURIは、神奈川県丹沢山系の東端に位置する大山(通称・阿夫利山)の麓から湧き出る清らかな天然水でスープを仕込んでいる。厳選した素材の旨味を丁寧に抽出し、仕込んだ正統派淡麗系の黄金色のスープを特長とし、爽やかな柚子の香りや炙りチャーシューなどで世界中のラーメン愛好家を魅了している。
ザ・リッツ・カールトン日光と共同で開発した「栃木柚子塩らーめん」は、AFURIの看板商品である「柚子塩らーめん」の構成を踏襲し、可能な限りの具材を栃木県産の厳選食材に置き換えたもの。阿夫利山(大山)の天然水に、新鮮な鶏ガラと香味野菜、昆布や鰹節などの魚介類を丁寧に抽出したスープに特製の塩ダレを加える。同県宇都宮市の山里で育つ幻のゆずといわれるの「宮柚子」(床井柚子園)の黄柚子の生搾り果汁をブレンドした。
同社は「柚子の持つ力強くも爽やかな香りと苦味を生かすべく、試行錯誤を重ねた」と説明する。
同市で大正時代から続く老舗・政木屋食品が専用の切り刃を仕立て、独自に製造する麺を使用。栃木県産小麦「ユメカオリ」に全粒粉をブレンドし、卵白を使用することで、上品な風味に歯切れが良く食べやすい、スープとの相性抜群の麺に仕上げた。
具には▽那須御養卵「極」(大田原市)の煮卵▽那須つつじポーク(那須塩原市)の炙りチャーシュー▽若山農場の筍(宇都宮市)のメンマ▽海老原ファーム(下野市)の水菜、ラディッシュ、ねぎ―を使用。薬味にも日光山椒の醤油煮(日光市)やたまり漬け大根(同)、揚げ日光湯波(同)など地元の食材にこだわった。
どんぶりは益子焼の陶芸家と料理人によるオリジナルブランド「GENDO」のアーティスト・松崎健氏が手掛ける特注品を用意。シンプルに麺とスープのみを入れ、チャーシューや煮卵などの具や薬味は別添えにて提供する。各素材の持つ食感や香りなど、奥深さを一つ一つ堪能しながらも、具や薬味を好みでラーメンに加えることで、味わいのバリエーションも楽しめる。
同ホテルの総料理長から「栃木県産食材にこだわった、ラーメンを創りたい」と相談を受けたのは2021年3月。コロナ禍の影響がまだ大きく、出口の見えない苦境の中、飲食・宿泊業界が活路を模索している真っただ中だった。それから約2年間、幾度となく打ち合わせを行い、食材を集め、試作・試食を繰り返して完成したのがこのラーメンだ。
AFURIの中村比呂人社長は「神奈川県の大山に起源をもつAFURIと、男体山の見守る奥日光にあるザ・リッツ・カールトン日光。山に縁のあるコラボレーションが叶い大変うれいしい」とコメント。
ザ・リッツ・カールトン日光のアレクサンダー・マックブライド総支配人は「今や世界に誇る食文化ともいえる日本のラーメンは、どれも素晴らしい探求心にあふれ、一杯への追求に余念がない。AFURIのすべての要素に妥協を許さない真摯な姿勢と情熱は、期待を超えるサービスの提供を目指すわれわれの理念と一致し、至高の一杯ができあがると確信した」と話した。
提供は1階の「ザ・バー」(営業時間午後4~10時、ラストオーダー午後9時半)で。問い合わせは、☎0288・25・6666へ。