県が富士山火山防災マップを公開/相模湖下流まで溶岩流到達のおそれ


富士山噴火 県は、2021年3月の富士山ハザードマップ改訂で、相模原市緑区などに溶岩流の到達の恐れが指摘されたことを受け、県民が富士山噴火の被害から身を守るための「富士山火山防災マップ」を1月に掲載した。県ウェブページ(https://www.pref.kanagawa.jp/docs/j8g/bousai/1_3235_9_13.html、QRコードからもアクセス可)からダウンロードできるほか、相模原を含む7市町には配布も計画している。【2023年2月20日号】

 

相模原市内にも到達する恐れのある溶岩流の範囲マップ

相模原市内にも到達する恐れのある溶岩流の範囲マップ



県内は溶岩流が24時間~7日間で到達する可能性がある「第5次避難エリア」と、7~57日間で到達するとみられる「第6次避難エリア」のみの指定。山梨県の富士吉田市や都留市などを谷伝いに流れ、桂川(同県内での相模川)を経て7~57日間で相模原に到達する可能性がある。相模原市内は第6次避難エリアで、緑区の相模湖下流、県道牧野相模湖線が相模川を渡る桂橋付近までが入る。

 

溶岩流は火口から流出した溶岩が地表を流れ下る減少で、勾配が緩やかな場所や冷えて粘性が増すと比較的ゆっくりと流れるようになる。「避難経路を事前に確認しておき、自治体の指示に従って避難してほしい」とする。

 

火山灰や軽石を出す大規模な噴火の場合、降灰が神奈川県や東京都の全域と、千葉県の西部、埼玉県の南部で10㌢以上に達する可能性も指摘される。10㌢以上の降灰では雨水が地面に染み込みにくくなるため、1時間あたり10㍉程度の雨で土石流が発生しやすくなる。「川や谷などへ近寄らないように」としている。

 

相模原市の全域では30㌢以上になると予測され、火山灰の重さで木造家屋が倒壊する恐れもあるとする。降灰の少ない地域や堅牢な建物への避難を勧めている。

 

富士山は、確かな記録だけでも10回の噴火が確認されている活火山で、1707年の宝永の大噴火から噴火した記録がない。将来も噴火する可能性が十分に考えられるため、県は「どのような現象がどこまでやってくるのか十分に理解した上で、的確な防災行動がとれるように心がけてほしい」と呼び掛けている。

 

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