▽淵野辺駅南口、説明会参加定員割れ/市民の関心は「低くなく」


空席が目立つ説明会の会場=11日、市立産業会館

空席が目立つ説明会の会場=11日、市立産業会館



鹿沼公園(約4万8500平方㍍)とその周辺の公共施設の再整備に向けた「淵野辺駅南口周辺のまちづくりビジョン(案)」(方針案)についての市民説明会が10日にプロミティふちのべ(中央区鹿沼台1)、11日に市立産業会館(同区中央3)で開かれたが、参加者はいずれも定員の半数を下回った。一方、同駅利用者や同公園来訪者に向けたオープンハウス型説明会では「公共施設にはどのような機能が入るのか」「(新しい鹿沼)公園はいつ完成するのか」といった質問が多く、担当課職員は「関心は決して低くない」とする。【2023年3月1日号掲載】

□1割切った説明会

記者が取材したのは11日午後7時からの回。同会館の多目的ホールは定員200人だが、説明を聞いたのはわずか12人(本紙記者、職員除く)だった。前日は市内でも積雪を記録したためか、地元・鹿沼台でも定員90人を大きく割る約20人の参加となった。

参加者は説明会の開催についてSNSを通して知ったといい、参加者の少なさを「市の周知不足」と指摘した。公園課(鹿沼公園)、都市計画課(まちづくり)、生涯学習課(公共施設)は「次世代ふちのべニュース」と銘打った情報紙を19年2月から制作し、市ウェブページで公開するほか、地域内の公共施設などに配架している。

質問や説明は少人数であれば、随時担当課の窓口で対応する構え。また、自治会や学校の保護者会など、まとまった人数(目安=10人前後以上)が集まる場合は職員が出張して説明会を開くとする。

□説明会の内容は?

取り組みの基本的な考え方は、主に「市民意見を踏まえたビジョン策定」「民間提案の活用」「将来にわたる市の財政負担の軽減」の3点。市民検討会や同有識者協議会で議論を重ね、2017年12月に市が公表した淵野辺駅南口周辺公共施設再整備・地域活性化基本計画の内容を見直した。

ビジョン策定後は民間事業者との対話などを行い、「より魅力的、効果的、効率的なアイデアについては柔軟に取り入れながら、取組内容の具体化を図る」とする。公共施設の再整備後に発生する跡地等(駅前市有地)について、売却や貸付などの手法での活用や、施設の整備・運営における民間活力の導入で、費用負担を抑えて将来の財政負担の軽減を図る。

今年度末にビジョンを策定。23年度は民間活力の導入可能性を調査し、具体的な整備内容などを整理するとともに、事業手法や施設の運営方法を含めた内容を24年度以降に策定するまちづくりプランに反映させる。プラン策定後は事業者選定に係るアドバイザリー業務委託を経て、26年度以降に設計・工事などを行い、29年度以降に複合施設の完成を想定する。

想定事業費は今後、複合施設の整備位置を絞り込んだ上で、より具体的な事業内容をもとにしたコスト評価を行い、事業の妥当性などを判断。駐車場の再整備手法や規模、施設内機能の利用料金などについては今後引き続き検討する。

□29年計画との違いは

前日の説明会などでは、基本計画と方針案の相違点や、方針の実現可能性についての質問が寄せられた。基本計画の策定について地域住民から「早急すぎる」と指摘された経緯もあり、市は「検討会や説明会、アンケート調査などで市民から意見を聴取しながら検討した」と説明する。

基本計画は、鹿沼公園敷地内の交通公園に既存公共施設を集約した複合施設を建て、空いた公有地は民間への売却などを検討する方針だった。市民意見を反映した方針案では、鹿沼公園と現図書館敷地を一体的に利用した再整備としたことや、児童交通公園を「存続」などとしている。

市都市計画課は「公共施設の老朽化や課題解決に向けて着実に」と説明。公園課は「工夫が必要だが、いずれの案でも児童交通公園や遊具広場を確保していく」とした。

…続きはご購読の上、紙面でどうぞ。