今春の大和市長選で初当選した古谷田力市長は1日、市議会で初の所信表明に挑み、「子供から高齢者まで、立場や境遇に関わらず、すべての人が楽しく、笑顔あふれ、心と体に加えて、社会的にも幸せな状態、いわゆるウェルビーイングが実感できる大和市を目指していく」と誓った。【2023年6月12日号掲載】
所信表明では、「新たな市役所の扉を開くため」として、「市民の意見を精査し、政策につなげる部署」「行うべき業務を適切に実施する自治体」「他自治体との連携」の3本柱の方針を掲げた。
市民生活に関わる分野では①災害に強いまちづくり②未来を担う子供たちに関する政策③断らない相談窓口の設置などの福祉施策④「エンターテインメント」をキーワードに地域経済の活性化―の4分野を掲げた。
④については「改めて市内商工業者の支援を積極的に推進するとともに、新たなチャレンジを応援するため、市内における創業支援や第2創業支援を行っていく」としている。「多くの市民が明るく楽しく笑顔で交流できる大和市を実現する」ともしており、新たなイベントの開催やシティーブランディング、SNS(会員制交流サイト)を活用したシティセールスなどに力を注いでいく考え。
大量生産、大量消費の経済活動を脱しての循環型社会の実現についても触れ、「費用対効果で判断することができる状況にはない」と訴える。地方自治体として、これまでも取り組んできたごみの減量化、太陽光発電などの再生可能エネルギーの活用を踏襲するとし、「これまで未活用だった資源の有効活用についても可能性を探っていく」と話した。
航空機の騒音被害やまちづくりへの支障など、同市に影響を及ぼしている厚木基地については「基地に起因する諸問題の解決と市民負担の解消に向けた取り組みを進めていく」とする。市と基地の各種交流事業などを推進して相互理解を深め、活発な意見交換や円滑な情報共有などを図る考え。災害時における連携強化などにもつなげるなど、基地との更なる関係構築にも取り組む。
古谷田市長は最後に「いかなるときも市民の生命を守り、安全、安心な暮らしを提供することは、地方自治体の使命である」との考えを示し、「新たな大和市づくりを一歩一歩着実に進めていく」と市議会や市民への理解と協力を求めた。