関東地整、16号踏切で誘導表示試行/視覚障害者の事故防止へ


視覚に障害がある人の踏切事故を防ごうと、関東地方整備局は6月、相模原市内の国道16号とJR横浜線が交差する久保沢第1踏切(緑区橋本6丁目)に「視覚障害者用誘導表示」を試行的に設置した。踏切の手前に点字ブロック、内外で異なる誘導ブロックを配置し、自身がいる場所を分かりやすくした。同局が直轄する道路では初の取り組み。【2023年7月3日号掲載】

久保沢踏切
2022年4月に奈良県内の踏切で全盲の女性が鉄道車両と接触し、死亡する事故が発生。女性は踏切内にいることに気付かず、引き返そうとして電車に接触した可能性があるとする。

同事故に加え、同局は「道路の移動等円滑化に関するガイドライン」の改定を受け、相武国道事務所管内で特定道路に指定されている国道16号上の同踏切(JR東日本)に、凹凸のある誘導表示を設置した。

試験施工では、同市視覚障害者協会の会員や歩行訓練士から事前に意見を聴き取り、設置形状などを決定。「踏切道内で(進行)方向を見失わないよう、線状(誘導)ブロックが望ましい」などの声を受け、踏切の内外を区別できるよう、外側では通常の4本の線状突起がある誘導ブロック、内側は半分の2本線の誘導ブロックとした。

踏切の手前には、線状ブロックに対し、直角となるよう点状の突起がある警告ブロックを配置している。

同局交通対策課は「利用者の意見を聴きながら整備することが大事。視覚障害者が利用する踏切などは管内にも多くあるので、取り組みを拡大したい」としている。

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