津久井産米「はるみ」で醸造した純米吟醸「はるひめ」発売


JA神奈川つくい(相模原市緑区中野)と泉橋酒造(海老名市下今泉5)は、津久井地域で収穫された食用米「はるみ」の付加価値向上を目的に、2020年から同米を100%使用した日本酒造りに挑んでいる。「純米吟醸はるひめ」(精米歩合55%、アルコール度数16度)を6月から発売した。米の認知度を高めることで、農業者の所得向上や産地の知名度などの向上を狙う。【2023年7月1日号掲載】※売り切れの可能性もあります。

通常は「酒米」を使用して酒を造るが、食用米は蒸すと粘りが強いなどの酒米とは異なる特徴を持っている。洗米、浸漬、麹造りなど各製造工程において、より細やかな感覚、作業と管理が必要となる。実現するため、県内でも有数の泉橋酒造に全面的に協力を依頼し、本格的な純米吟醸「はるひめ」の商品化に至った。

はるひめ
同酒は「食べておいしいはるみを彷彿とさせる、豊かな香りと艶やかで濃厚な味わい。米本来のやさしい甘さと、コク、ボリュームのある旨みがじんわりと口の中に広がる」とし、煮物、味噌味の料理、甘辛い照り焼きなど、「こっくり」とした味付けの家庭料理によく合うとする。

1857年創業の同酒造は海老名市に蔵を構え、地元・契約農家の協力を得ながら原料米の栽培、精米、醸造に至るまで一貫した酒造りを実践する「栽培醸造蔵」。伝統的な手法を重んじながら、全量純米酒(純米吟醸酒、純米大吟醸酒含む)を醸造している。

21年にはコロナ禍で浸透した「家呑み」を想定し、女性をターゲットに発泡性のにごり酒「HARUHIME(はるひめ)」を販売。「飲みやすい」と好評だったため、22年にも製造・販売を継続した。

コロナの感染対策が緩和されつつあったことを受け、愛酒家をはじめ幅広い人に飲んでもらおうと「飽きのこないシンプル味わいの本格的な純米吟醸酒に仕上げた」(同酒造)とする。同酒造は今後もはるひめを用いた酒造りを続けていく考え。

アグナビ(茅ケ崎市)が手掛ける1合(180㍉㍑)サイズの「イチゴーカン(一号缶)」として2700本限定で販売している。農産物直売所「あぐりんず津久井」(緑区中野)や同社ECで購入できる。1本660円。※売り切れの場合もあります。

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