九都県市合同防災訓練、相模原市主会場に開催/関係146団体・機関が連携など確認


相模原市内で33人の死者・行方不明者を出した関東大震災の発生からちょうど100年を迎えた9月1日(防災の日)、相模原市中央区の相模総合補給廠一部返還地などを中央会場に、東京都、神奈川・埼玉・千葉の3県と各県内の政令指定都市で構成する九都県市の合同防災訓練が開催された。146機関・団体から約4600人の参加者が本番さながらの救助・救援活動を実践し、防災・減災意識を確認した。【2023年9月10日号掲載、関連記事あり】

一斉放水
訓練では、午前10時に相模原市直下を震源とし、関東大震災と同程度のマグニチュード7クラス(最大震度6強)の地震が発生し、建物の倒壊や火災、土砂崩れが発生したと想定。相模原市内やその他都県市の消防や警察、医療機関、自衛隊、在日米軍などが市民団体、民間団体・企業などと連携し、道路の復旧、救出救助、消火訓練などを実施した。

ロープ
南区では小田急相模大野駅や駅周辺で帰宅困難者を誘導、緑区の藤野地区では孤立の可能性がある地域からヘリコプターによる被災者救出・搬送を行うなど、都市部と中山間地域を併せ持つ市の地域特性に合わせた訓練も行った。

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JAXA(宇宙航空研究開発機構)の衛星画像や、市内事業者と連携したドローン(小型無人機)を活用し、被災状況の把握も行われた。道路や水道、ガス、電気などの復旧作業や消火用水の補給には、市と協定を結ぶ市内の関連企業や業界団体なども参加。隣接する防災フェアの会場にも約50社・団体のブースが出展し、災害対策や防災に関連する製品・サービスを紹介した。

土砂や倒木の撤去作業を訓練する建設関連団体

土砂や倒木の撤去作業を訓練する建設関連団体



岸田文雄首相は、補給廠南側の相模原スポーツレクリエーションパーク内にヘリコプターで降り立ち、関係閣僚らとともに訓練会場を視察。マンホールトイレの説明を受けながら実際に設置したほか、本村賢太郎相模原市長や黒岩祐治神奈川県知事、市内の小学生らとバケツリレーによる消火活動を体験した。

首相消火
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閉会式は、関東大震災が発生した午前11時58分に始まり、大規模災害の被災者らに向けて黙とうが捧げられた。本村市長は「改めて〝だれ一人取り残さない〟防災活動を続けていかなければならないと決意した。特に自助と共助という点で、市民や関係団体の協力を得て取り組んでいく」と誓った。

首相消火
岸田首相は続けて「首都直下地震を始めとする大規模災害のリスクに直面し、関東大震災の記憶を風化させることなく、デジタル技術も活用しながら、創意工夫を凝らして災害に強い国づくりに取り組んでいかなければならない」と訴え、「国民の生命・財産を守るため、今後とも、災害対策に万全を期していく」と決意を語った。

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