【アーカイブ】橋本駅周辺整備「大西大通り線」新設に住民から反対意見多数/相模原市


相模原市は同市緑区の橋本駅周辺整備推進事業で計画する「大西大通り線」について20日、緑区合同庁舎で地域住民に対して説明会を開催し、約70人が参加した。本村賢太郎市長が直接説明を行ったが、住民からは反対の意見が多数上がり説明会は紛糾した。【2023年9月1日号掲載】

住民らへ直接説明する本村市長

住民らへ直接説明する本村市長



大西大通り線は、リニア中央新幹線の地下駅「神奈川県駅(仮称)」が建設される橋本駅南口地区と圏央道の相模原インターチェンジ(IC)へと繋がる橋本相原線を結ぶ2車線の新設道路。整備計画は西橋本の住宅街を約1キロ㍍に渡り横断し、住宅など約100棟が立ち退きの対象となっている。市が2023年3月に決定した橋本駅周辺整備推進事業の都市計画では、33年の完成を目指すとしている。

住民からは「計画は唐突の発表で寝耳に水。結論ありきで話が進んでいるのはおかしい」「反対意見が多数なのに、当事者の意見が反映されていない」「市長は選挙で『誰ひとり取り残さない』と訴えたが、住民を立ち退きさせるのか。計画を白紙撤回してほしい」「既存の道路を活用すべき」などの反対意見が多数上がった。

大西大通り線の位置図

新設が計画される大西大通り線の位置図



本村市長は「市民への説明が足りなかった」と認めたものの、「撤回することにはならない。理解してもらえるよう説明していきたい」と話し、計画を進める考えを示し、反対する住民と議論は平行線をたどった。

市は23年3月、同線を含む街路事業と橋本駅周辺の区画整理事業の都市計画の決定を行った。同線について、市は用地取得のための測量を進めていく方針。

市の試算ではリニア開業後、橋本駅周辺に1日あたり1万8430台の交通量が発生するとしている。内訳は県立相原高校跡地を活用した駅前開発事業により、1日あたり1万7800台の交通量発生を見込んでおり、その内、相模原ICなど津久井方面から1日あたり7000台の増加と試算している。

参加した住民は「高校跡地に何をつくるのか決まっていないのに、あいまいな計画の段階で道路新設を進め、住民に立ち退きを迫ることに理解ができない」「市の計画の進め方に不信感しかない」と憤った。

地権者の一部には「市の測量に協力しない」などの動きもあり、市と住民の間の一度深まった溝は、簡単に埋まりそうにない。

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