中央道、渋滞対策に121自治体連携/相模原市長が代表で決議表明


相模原市や神奈川県など、中央自動車道路(中央道)沿線などの5都県市(会員)と116市町村で構成する渋滞対策促進協議会(副会長=本村賢太郎相模原市長)は10月24日、東京都千代田区で大会を開いた。相模原市緑区内の地点などで発生し、日常的な都市活動に加え、観光や物流などに影響を与えるとする渋滞対策の早期解消などを求める決議を報告。同日、会長の山梨県知事と甲府商工会議所会頭が国土交通省の小鑓隆史政務官と面会して要望活動を行った。【2023年11月1日号掲載】

会長の長崎幸太郎山梨県知事は「事業中個所の早期完成はもちろん、残る渋滞区間の改善に向け着実な活動を積み重ね、渋滞が解消するその時までみなさまとともにまい進を続けていきたい」とあいさつした。

神奈川県選挙区の水野素子参議院議員と比例区の井上義行同議員のほか、相模原市内選出の小田貴久県議、同市議会の大崎秀治副議長と大八木聡建設委員会らも来賓として出席し、渋滞解消の重要性を訴えた。国土交通省道路局の丹羽克彦局長はこれに対し、「地域と心を一つにして取り組みたい」と語った。

意見発表を行った中央自動車道渋滞対策沿線経済団体協議会の石橋廣氏(県トラック協会専務理事、相模原商工会議所)は、高速道路網について「輸送時間の短縮や定時制の確保といった効率な運送、生産性の向上に大きな効果をもたらす。トラック運送事業の経営に必要不可欠なもので、生命線と言っても過言ではない」と説明し、「今後求められる生産性の向上や労働環境の改善を図るため、高速道路の利用の促進を図りたい」と語る。

意見を発表する神奈川県トラック協会の石橋専務理事

意見を発表する神奈川県トラック協会の石橋専務理事



関東圏の大規模災害に備えた広域的な対策として、被災者に救援物資を迅速かつ確実に届けるために人員や車両の相互応援を目的とした協定を締結していることを報告。取り組みが生かされるためには「各高速道路における走行環境の整備が重要。協議会の今後の活動に期待したい」と訴えた。

大会の締め括りには、本村副会長が「交通容量の不足や速度低下により深刻な渋滞が発生しており、日常的な都市活動に加え、物流や観光などに大きな影響を与えている」とした上で、「渋滞による損失が削減されることで、さまざまな分野に効果が期待されることから、事業中区間の早期完成とさらなる渋滞対策の検討を進める必要がある」とする決議を読み上げた。

決議文を読み上げる本村相模原市長

決議文を読み上げる本村相模原市長



協議会の総意として▽実施中である上り線の小仏トンネル付近、下り線の相模湖付近の渋滞対策工事を早期に完成させること▽三鷹バス停付近の渋滞対策工事を速やかに実施するとともに、渋滞解消のためのさらなる検討を引き続き行うこと▽必要とする道路整備が着実に実施できるよう、安定的な財源を確保することーの3点を要望する。

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