相模原市は1日、県、JR東海と、リニア中央新幹線神奈川県駅(仮称)の周辺開発を契機とした「さがみロボット産業特区」におけるイノベーションの創出・促進を目的に連携協力協定を締結した。知識や経験、関係者との関係性など各々の資源を有効に活用する。【2023年11月1日号掲載】
3者は①ロボットの実用化、宇宙開発、新素材発明等に係る研究開発の推進②R&D(研究・開発)拠点の整備・運営③企業誘致の促進、並びに起業の支援④企業、研究者、学術機関の交流促進⑤循環型社会の形成に関すること⑥その他本協定の目的を達成するために必要な事項―の6点で連携や協力を行う。
市は、内外の企業や研究機関など、さまざまな主体の交流を図りながら企業誘致や起業支援、スタートアップ企業の創出・育成を推進する。併せて、イノベーションを創出し、市内産業を活性化することを目的に、相模原アクセラレーションプログラムやオープンイノベーションプログラム「サガミハラ・イノベーションゲート」、イノベーション創出促進拠点運営事業に取り組んでいる。
県は10市2町を対象に、2013年2月に国から「さがみロボット産業特区」として地域活性化総合特区の指定を受け、「生活支援ロボットの実用化を通じた県民生活の安全・安心の確保及び地域経済の活性化」のため、ロボットの開発・実証実験の促進、普及啓発や関連産業の集積促進に取り組んできた。2023年度から始まった第3期計画では、中小企業のロボット産業への参入支援と、ロボットの社会実装の加速化に重点的に取り組んでいる。
JR東海は、神奈川県駅(仮称)周辺の事業開発について、沿線都市と移動の価値を高め、人々の豊かな暮らしを実現するための一つの候補としてR&Dセンターの運営を視野にいれ検討を進めていた。市公募の「イノベーション創出拠点運営委託事業」に応募し選定されたため、24年度春に、橋本駅南口付近にJR東海が拠点を建設し、運営を開始する。
今後は▽相模原市が進める神奈川県駅(仮称)周辺のまちづくりと市内産業活性化▽さがみロボット産業特区において神奈川県が進めてきた生活支援ロボットの実用化と普及促進▽JR東海が有識者や企業などと進める人々の生活を豊かにするための技術の社会実装―など3つの取り組みを進めるとする。