中心商業地のまちづくり問われる/グリーンバザール西門10月末で閉鎖へ


相模原市中央区の西門商店街にある「グリーンバザール西門」(同区相模原6)が10月31日に閉鎖される。建物が老朽化し、シャッター店舗が大半を占めていた。営業を続けてきた鮮魚と精肉、青果店が9月に閉店。「丸将青果店」は近隣(相模原5)に移転し、10月から新店舗で営業している。唯一残っていた鉄道模型レンタルレイアウト店「トレインドリーム」は同日で営業を終了し、近隣に移転する。空き店舗化が進む西門商店街だが、市の中心商業地に指定されており、商業地のまちづくりが問われている。【2023年10月10日号掲載】

西門GP
グリーンバザール西門は1952年に「相模日用品小売市場」として開業。49年に米軍に接収された現在の相模総合補給廠は、50年からの朝鮮戦争による軍事特需で、約5千人の日本人労働者が働き、工廠への出入口であった「西門」には労働者のための飲食店や商店などが立ち並び活況を呈した。60から80年代には、西門商店街の歳末の大売出しには、県外からも来客があるほどの賑わいを見せ、「相模原のアメ横」と呼ばれた。

グリーンバザール西門は73年に一部を商業ビル化。生鮮三品や日用品などの商店が出店し、西門を象徴する施設となった。しかし、大型商業施設の出店や消費者行動の変化などで、商店街は衰退の一途をたどった。

グリーンバザール西門の建物と土地は、「西門市場協同組合」と個人の地権者が所有する。同協同組合は、空き店舗化が進む中で理事長も会計責任者も不明確となり、組合の体をなしておらず、国や県から低利子で借り入れた特定高度化資金の返済も滞っていた。

市内不動産業のサーティーフォー(緑区橋本)が建物と土地の取得を進めており、建物解体後にマンション開発業者に売却する見通し。

西門商店街協同組合の浦上裕史理事長は「生鮮食料品が買えない〝消店街(商店街)〟となったが、銭湯やオーディオ専門店など特徴ある店舗も多い。今後、商業地として魅力を高めていくことが課題」と前を向く。

浦上理事長は「マンションに建て替えならば、1階にはコンビニやミニスーパーを要望していく。また解体時には、隣接部分のアーケードの解体もお願いしたい」と話す。

西門の象徴でもあるアーケードは、同組合の所有物。老朽化が進み、台風などで事故が起これば、同組合が責任を負うことになる。同組合はアーケードの損害保険だけで毎年約35万円の保険料が掛かるとしている。こうした老朽化した施設の解体も課題となっている。

市は都市計画で、相模原駅周辺は、駅前・西門・中央・市役所周辺を4つの拠点地区と位置付けており、「西門地区は市の拠点にふさわしい中心商業地の形成を目指し、魅力あるまちづくりを進める」としている。中心商業地のまちづくりのあり方が問われている。

…続きはご購読の上、紙面でどうぞ。