さがみはらオリーブベース、オリーブ葉で菓子製造/田名で栽培し昨年オイル抽出に成功


田名のオリーブ畑で森さん㊧と弟・田川さん

田名のオリーブ畑で森さん㊧と弟・田川さん



相模原市田名にあるオリーブ農園「さがみはらオリーブベース」では、オリーブ葉を使ったパウダーや焼き菓子を製造販売している。栽培から約8年掛かって、2023年末に初めてオリーブオイルが生産できた。同農園によると「これだけの規模のオリーブ専門農園は市内に他にはないのではないか」と話す。相模原産のオリーブに注目が集まっている。

農園を運営するのは、障害福祉サービス事業所「陽だまり作業所」(中央区星が丘)を運営する代表の森路子さん。姉が真鶴町でオリーブ農園を運営しており、相模原でもやりたいと思い、田名の相模川沿いにある農地法で規定される優良農地を取得。運営する作業所の通所者に自然の中で就労しほしいという思いもあった。

8年程前から本格的に栽培を開始。農地は3カ所で約100本のオリーブを栽培している。メインは収穫した葉を粉末にした「オリーブパウダー」(20㌘・税込1000円)。オリーブの葉にはオレウロペインというポリフェノール群が含まれており、優れた抗菌・抗酸化作用があるとされ、ノンカフェイン。コップ1杯当たり小豆粒程度を溶かし、お茶として飲用するほか、ヨーグルトに混ぜるなどの使用法がおすすめだという。

農園ではオリーブ葉パウダーを使用した焼き菓子を製造販売。知人のパティシエが農園内の加工場で試行錯誤の末にレシピを完成させた。パウンドケーキや雪玉をイメージしたクッキー・スノーボール、ビターチョコとナッツ類を使ったイタリア伝統の焼き菓子・ビスコッティなど。甘味の中にパウダーの程よい苦みの味わいが楽しめる。

オリーブ葉の粉末などを使った菓子やオイル

オリーブ葉の粉末などを使った菓子やオイル



焼き菓子は税込みで各300円。同農園の商品は、市障害者地域作業所等連絡協議会(障作連)が運営するショップ「バオバブ」(中央区富士見・あじさい会館1階)で販売している。

23年には栽培から8年目でオリーブオイルを初めて生産できた。オリーブの木は、1本から7~10㌔㌘の実を収穫できる成木になるまで約10年掛かる。また、害虫のゾウムシが天敵となるが、同農園では農薬無使用。毎日、スタッフが1本ずつ木を回りゾウムシを捕獲駆除している。

23年は実を40㌔㌘収穫して採れたオイルは2・8㍑(約7%)。非売品でまだ販売には至っていない。

代表の森さんは「相模原産のオリーブを広めていきたい」と話し、今後は知名度向上と販路の拡大を目指していく。

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