日本弁護士連合会(日弁連)の副会長に、県弁護士会相模原支部(同市中央区富士見)所属の伊藤信吾氏(60)が1日付けで就任した。同支部から日弁連の副会長就任は初めて。県弁護士会の4支部(川崎・県西・横須賀・相模原)からも18年ぶり2人目となる。【2024年4月20日号掲載/関連記事、ロングインタビューに】
伊藤氏は1964年生まれ。早大法学部卒業後、26歳で司法試験合格。95年に弁護士の父と共に同市で弁護士事務所を開業。2008~10年に同支部長、19年に県弁護士会会長を歴任した。
日弁連の会長は1期2年、副会長は15人で1期1年。1日付けで会長に就任した渕上玲子氏(69)は、1949年の日弁連設立以来、75年目にして初の女性会長。2017年に東京弁護士会の初の女性会長を務め、日弁連では副会長や事務総長を歴任した。
渕上会長は就任のあいさつで、「家庭裁判所の人的・物的な拡充」「男女共同参画の推進」「災害復興・被災者支援」「民事裁判手続きのIT化」などを取り組んでいく主な課題としてあげている。
現在開会中の通常国会で、離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」の導入を柱とした民法などの改正案が成立する見通しとなっている。改正案は今国会で成立すれば26年度までに施行される見込みで、父母が合意できなければ家庭裁判所が親権を判断するため、裁判官の増員など体制拡充が課題となっている。
伊藤氏は副会長として、民事介入暴力や業務妨害への対策、市民向けの広報活動などを担当する。
県弁護士会相模原支部の齋藤守支部長は本紙の取材に「ことし支部創立30周年を迎える節目の年に支部から初、県弁護士会各支部からも18年ぶりに副会長を輩出できたことを非常に光栄に思う。横浜地裁相模原支部への合議制裁判、労働審判の実現に向けても力を貸していただきたい。1年間頑張ってほしい」とエールを送った。