相模総合補給廠(相模原市中央区)の一部返還地(約15㌶)を中心とした相模原駅北口地区の土地利用計画検討会議が14日に開かれ、交流ハブ機能や民間提案の枠組みについて検討を行った。交流ハブは同地区に限らず、南口地区の商業地区や駅周辺の住宅地などに波及する機能を目指す。【2024年5月20日号掲載】
□交流ハブ機能とは?
交流ハブ機能は、同地区が目指すライフ、イノベーション、交流・にぎわいの視点に基づいて導入を検討する①居住生活②商業③業務開発共創④交流にぎわい―の各機能を結び付け、イノベーション(新たな価値)を生み出す機能。他の機能(施設)を結びつけ、多様な活動の創出につながるもっとも有効な位置・規模・配置を検討する。
官民連携で空間を創出し、エリアマネジメント、エネルギーマネジメントの展開の場としても検討する。空間整備、所有、管理・運営などについて、官民連携を基本にさまざまな方法が考えられる。
交流ハブの機能について「まちの核として各機能を結び付け、イノベーションを生み出す場所」「さまざまな目的で訪れる人が自分の居場所として居心地よく過ごせる場所」「イベントや実証実験をとおして多様の人々が交流し、新たなにぎわいを創出する場所」「創造性を育むイノベーション拠点」と説明した。
補給廠一部返還地15ヘクタールに限らず、駅南口の夢大通り商店街や西門商店街などの中心市街地、住宅地との調和やネットワークで結び、地域全体の拠点としても機能するものを目指す。
□民間提案へ方向検討
民間活力を最大限に生かしつつ、立地ポテンシャル(潜在的可能性)を十分に引き出せる土地利用を想定。国から民間事業者への直接処分が想定される国有地であり、民間事業者の知見やノウハウが生かされるよう、土地利用計画の参考とする提案を求める。市民や学術団体などからも広く提案を募集し、市民ニーズを集める機会とする。
民間提案は、現時点で事業の具体化を見据えた提案ができる法人・グループを提案者とし、▽まちづくりコンセプト▽土地利用方針▽土地利用計画の方向性―などこれまでの検討結果を踏まえたものとする。このほか、道路や駅前広場などの骨格的な基盤整備、施設整備などの考え方を提案してもらう。
7月ごろに事前説明やエントリーを実施。10月頃まで提案を募集し、11月頃にプレゼンや対話を実施する予定。10~11月頃にたたき台を作成し、2025年第1四半期中に骨子を取りまとめたい考え。
審査・検討委員会は、副市長や都市建設局長、一部委員に同会議の学識経験者、市民らが参加する予定だが、同会議とは別に立ち上げる。提出された提案の審査、提案者との対話を行うほか、優良な提案を反映させた〝たたき台〟や土地利用計画の代表ケースの作成などを行う。
委員から「民間提案を実施せず、評価軸を定めた上で現行の計画案を定めた方がよいのではないか」との意見があり、「長期的な時間軸で、具体的な時期が定まっていない状況では、社会情勢や事業環境を想定することが難しく、具体的な提案を行うことが困難。今回の民間提案では事業者に選定されず、提案者に一定の責任を持たせることもできないので、夢物語のような提案になる」と指摘した。