東京理大初の八王子企業、相模原市内の物流施設にロボスーツ4台納入/日通現場から「腰の負担軽減」と改善の声


東京理科大学発スタートアップのイノフィス(八王子市東町7)のアシストスーツ「マッスルスーツ・ソフトパワー」が、日本通運で貨物の保管や出荷などの倉庫業務を行う相模原オペレーション課に採用された。4台導入したという同社のアシストスーツは、物流倉庫などの荷役作業時の身体的負担軽減に役立っており、従業員から「装着することで正しい姿勢が保てる」「腰の負担の軽減が実感できている」と改善を実感する声が上がっている。【2024年6月10日号掲載】

相模原市内の物流拠点で採用されたロボスーツ

相模原市内の物流拠点で採用されたロボスーツ



倉庫内作業はICTやロボット導入などのDX化が進むが、荷役作業の数十ある工程すべてを省人化することは難しい。保管用のパレット積み替えや、段ボールを開封して中身を取り出す作業、パレットに荷物の結束作業など、細かく名もないような人力作業が多数存在し、このような作業が従業員の身体的負担感を生み出している。

さまざまな業界が人手不足に悩む中で、特に身体的負担の大きい作業場は嫌厭され、さらに少子高齢化により若い世代の確保が厳しく、ベテラン作業員への負荷が増大している。腰痛による身体への負担は、労災認定される可能性も高く、仕事の継続が困難になり離職してしまうほど深刻な場合もある。

昨今は、EC需要の増加による小口多品種化が進み、現場の作業量も増加している。燃料高騰や物流コスト削減の需要も高まり、待遇改善に舵を切りにくいというのが物流業界の現状。過酷な作業環境による身体的負担をなるべくコストをかけずに減らすことが、物流業界の今の人材課題を解決する一つであると考えている。

相模原オペレーション課は、製造業から委託を受けて貨物の保管や出荷などの倉庫業務を行っている部署。特定の作業者に負荷が偏ることがないような作業ローテーションを組む工夫をしても限界があり、数年前から作業中の従業員の身体的負担軽減のために、アシストスーツを含むさまざまな外的補填を検討していた。

アシストスーツではバネや空気圧などの力を利用した外骨格型の他社製品も検討したが、大きすぎて荷役作業では邪魔になるものもあった。今回導入したイノフィス製の「マッスルスーツ・ソフトパワー」は、同じタイプでは最強クラスの補助力で腰の負担を 35%軽減する。動きやすさはありつつも補助力も実感でき、作業に合った製品だと判断ができたため導入を決定した。

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