【相模原市】緑区高校生区民会議、若者の発想視点で魅力発信考える/「自然の豊かさと進む開発、SNSで」


相模原市緑区は6月21日、区内の市立勤労者総合福祉センター(サン・エールさがみはら)で、次世代を担う若者の柔軟な発想や視点を緑区の魅力発信事業などに生かそうと、初めて「緑区高校生区民会議」を開いた。区の「魅力・良いところ」「魅力発信の手法」のほか、「区がどうであれば住み続けるか、どうなれば住みたいか」について意見を出し合い、グループごとに成果をまとめて発表した。【2024年7月1日号掲載】

区内の県立高校や区民会議委員らが参加したグループワーク

区内の県立高校や区民会議委員らが参加したグループワーク



JR中央線の駅がある藤野・相模湖両駅周辺や、バス路線がある三ケ木―橋本間などを除く地域では、若者の地域離れが続き空き家が増えている。区民会議の委員で、若者による区民会議小委員会委員長の熊谷弘さん(津久井地域自治会連合会)は、今回の会議を提案した理由を「津久井の公共施設再整備の検討委員会で、津久井高校の生徒会に協力を仰いだところ、非常にいい意見をもらえた。これからの地域を背負って立つ若者を聞いて、自然を生かした観光ピーアルをしたい」と話す。

会議には、区内から相原高校、橋本高校、相模原城山高校、津久井高校の県立4校から18人に加え、緑区区民会議のメンバー5人と市職員も参加した。冒頭で市職員から同区についての現状を説明した後、生徒は6人ずつA~Cの3グループに分かれてグループワーク形式で作業を進めた。

区の魅力については、各グループともに「自然が多い」「四季それぞれに魅力がある」といった意見に加え、津久井湖城山公園花の苑地や城山かたくりの里など色とりどりの花を見ることができるスポットに着目した。自然が豊かな一方、圏央道の開通やリニア中央新幹線の建設などの交通利便性、アリオ橋本に代表する商業施設の立地など、利便性の高さにも触れる意見が多かった。

魅力発信の方法では、SNS(フェイスブック、インスタグタムなど)やユーチューブなど動画配信サイトの活用、VR(仮想現実)を使ったバーチャルツアーなど、Z世代ならではの提案が目立った。一方で、区内を巡るバスツアーや体験型のイベントなど、参加者が実際に魅力を感じられるものも提案した。

「どうすれば住みたくなるか」については、交通の利便性の悪さや通勤通学にかかる時間の長さを指摘する意見も多かったが、「交通の便が悪くても、四季の変化を楽しめる自然を残してほしい」とする声が出た。また、下水道の普及が進んでいないことを挙げた生徒もおり、傍聴した学校教諭を驚かせる一幕もあった。

相原高校食品科学科3年で、生徒会の会計を務める井口美愛さんは「生徒会の役員として、地域や学校の役に立つことでできることをやりたかった」として参加し、会議を通じて「緑区に滞留する時間が多いので、育った場所を再認識できた」と話した。

会議に参加した関みどり副区長は、本紙の取材に「初めての試みだったが、若い視点や発想には驚くような閃きや、思いもよらないユニークな意見があった。行政の取り組みに時代とのギャップを感じる部分もあった」と手応えを語った。

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