宇宙をはじめとするさまざまな科学分野を通して、青少年の好奇心や探求心を育てることを目的とした日本宇宙少年団(YAC)相模原(さがみはら)分団は、ボランティア指導者「リーダー」となる人材を求めている。分団長の奥村光弘さん(中央区星ケ丘)は「元団員や、地元企業で働く技術者、研究者などがリーダーになってくれれば」と話す。見学を受け入れる研究機関や、教材や資機材を提供する企業や団体なども募っている。【2024年7月10日号掲載】
同分団は2001年9月、相模原グリーンロータリークラブ(RC)10周年の記念事業として、当時の文部科学省宇宙科学研究所(ISAS)が所在する相模原市で全国113番目のYAC分団として結成した。結団式では、小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトメンバーだった的川泰宣氏(現JAXA名誉教授)が基調講演を行い、同RCの名誉会員にもなっている。
活動内容は、圧縮空気と水で飛ぶペットボトルロケットや火薬で飛ぶモデルロケットの製作と飛行実験、科学実験、博物館や科学関連施設の見学会などを毎月第3日曜日に実施する。その教材や見学会の事前準備、引率などがリーダーの役割で、現在は獣医師や定年退職をした技術者や教員、主婦などが活動している。
現在のリーダーは83歳の奥村さんら80代が中心の5人。高校生団員が補助的に小中学生などを指導するサブリーダーという制度があり、「卒業後や就職後にリーダーとして後身の育成に力を貸してもらうのが理想的」とする。進学や就職で相模原市や周辺地域を離れることが多く、現実は人手不足が続く。
応募者は18歳以上であれば性別、経験・資格は問わない。奥村さんは「定年退職となり、技術やノウハウを後世に残したいと考える人に参加してもらえたら」と語る。
4歳から高校生までの団員は、結成当時から現在に至るまで60人前後で推移しており、入団数には困らないとする。奥村さんは「将来ある子供に自分に合ったいい方向性や可能性の糸口を見つけてもらおうと活動を続けている。目標を達成してもらうためには、団員となる子供も必要だが、活動を援助するリーダーにも集まってほしい」と呼び掛ける。
同分団ではリーダーのほか、人材や活動の場、資材などを提供する個人・企業・団体なども随時募っている。詳しくは事務局・松田さん(電子メールyskth.matsuda@gmail.com)へ。